2013年作品
監督 ザック・スナイダー 出演 ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス
(あらすじ)
崩壊目前のクリプトン星に生まれたカル=エルは、父ジョー=エルから託された“コーデックス”とともに地球へと送られる。そこでジョナサンとマーサ夫婦の手によりクラーク・ケント(ヘンリー・カヴィル)として育てられた彼は、次第に超人的な能力に目覚めていくが、そんなある日、クリプトン星の生残りであるゾッド将軍がコーデックスを追って仲間と共に地球へやってくる….
クリストファー・ノーラン&ザック・スナイダーのコンビでリニューアルされた新スーパーマン三部作(?)の第一作目。
クリストファー・リーヴ主演の前シリーズは(4作目を除き)若い頃にTV等で楽しく拝見させて頂いた記憶があり、その続編という位置付けで製作されたものの、1作だけで打切りになってしまったブライアン・シンガー監督、ブランドン・ラウス主演による「スーパーマン リターンズ(2006年)」も決して嫌いではなかった。
そんな俺の目からこの新作を見ると、これまでのスーパーマン像との大きなギャップに、まず、まごついてしまう。勿論、本作に登場するスーパーマンも“根っからの善人”という設定に違いは無いのだが、演じているヘンリー・カヴィルはかなり野生的な印象が強く、クリストファー・リーヴやブランドン・ラウスが漂わせていた知的なナイーブさのようなものはほとんど感じられない。
また、ロイスがスーパーマンの正体を知らないという従来のストーリー上の重要な基本設定が放棄され、この設定から生じるラブコメ的要素が一切排除されてしまっているため、全体の雰囲気もかなり暗め。せっかくエイミー・アダムスを出演させているにもかかわらず、143分の上映時間中、笑えるようなところはほとんど見当たらなかった。
まあ、このへんの変更は、おそらく既に撮影が開始されたという本作の続編「バットマンVSスーパーマン」に繋げるための布石であり、それが上手く行くのなら特に不満はないということで、この変更に対する個人的評価については続編が公開される予定の2015年7月まで待つこととしたい。
ということで、本作に限って言えば、ストーリーの軸になるはずの“コーデックス”の用途、重要性みたいなものが、見ていて良く分からなかった点が大きな不満。それにはクリプトン星の住民の遺伝子情報が記録されているというのだが、ジョー=エルは地球上で彼等を再生させることを息子に望んだ、ということで良いのでしょうか。