キック・アス

待ちに待った「キック・アス」の上映がようやく先週から近くのシネコンで始まったということで、さっそく家族で見に行ってきた。

ある種の青春映画みたいな設定で始まるのだが、冗談半分(?)でスーパーヒーローになろうと思い立った主人公のデイヴ君が、本物のスーパーヒーローに出会ってしまったのが運の尽きで、そこからめくるめくような狂気の世界へと引きずり込まれていく、といったストーリー。

この本物のスーパーヒーローというのがビッグ・ダディとヒット・ガールの親娘なのだが、このコンビのイカレっぷりは尋常ではなく、特に凶暴な小動物の如きヒット・ガールのアクションシーンはまさに衝撃的。演技だからとはいえ、設定年齢11歳の少女にこんなことまでさせて良いのかという意見も当然あるだろうが、まあ、目が離せないほど面白いのは間違いない。

また、バットマンウォッチメンのように特殊な能力を持たないスーパーヒーローはこれまでにも何人か登場したが、バットマンは大富豪という設定であり、ウォッチメンの活躍する舞台が“もう一つのアメリカ”であったのに対し、本作に登場するスーパーヒーローたちが我々のとても身近な存在であるという点も大きな魅力であり、同時にそれだけ(狂気の感染する)危険性も高いと言えるのだろう。

ビッグ・ダディ役のニコラス・ケイジは、とてもアカデミー賞俳優とは思えない程のオーラの無さがこのキャラにピッタリだったのだが、それ以上に適役だったのがヒット・ガールに扮したクロエ・グレース・モレッツ。「(500)日のサマー(2009年)」でも生意気そうな女の子を演じていたが、本作での怪演ぶりはその比ではなく、今後、どんな女優さんに育っていくのか注目したい。

ということで、本作の続編も制作が予定されているらしいのだが、その前に話題作の「Let Me In(2010年)」にも出演しているということなので、そこで彼女がどんなヴァンパイア役を演じているのか、今のうちから気になって仕方ありません。