LEGO(R)ムービー

2014年作品
監督 フィル・ロードクリストファー・ミラー
(あらすじ)
すべてがレゴで出来ているブロック・シティに住んでいるエメットは、何をするにもマニュアルどおりという平凡な建設作業員。ある日、ひょんなことから“奇跡のパーツ”を手に入れるが、それは彼が伝説のヒーロー“選ばれし者”であることを示す証拠であり、長年、それを探し求めていたというワイルドガール等と協力し、ブロック・シティを支配する“おしごと大王”と対決することに…


くもりときどきミートボール(2009年)」のフィル・ロードクリストファー・ミラーのコンビによるCGアニメ。

ブロック・シティの住人の大半は、エメット同様、何の疑問も抱かずに決められたマニュアルに従って行動する人々で占められており、そんな秩序立った社会の頂点に君臨しているのが強大な権力を有する“おしごと大王”。

そんな彼にとって、身の回りにあるレゴブロックを使って自由に様々な機器を組み立ててしまう“マスター・ビルダー”の存在は目の上のタンコブであり、彼等の勝手な行動を封じ込めるため、秘密兵器スパボン(=スーパーボンド!)を使って全てのレゴブロックを分解できないようにくっつけてしまおうとする。

この陰謀を打破するため、マスター・ビルダーの先頭に立って“おしごと大王”に立ち向かうのが“選ばれし者”であり、まあ、脚本はよく練られているものの、ストーリー自体は単純な“スーパーヒーロー物”だろうと思って油断して見ていると、終盤、アッと驚くような仕掛けが登場して吃驚仰天。ここからストーリーは“父と子”さらには“伝統と創造”の物語へと一気に広がっていく!

一方、お得意のカラフルな映像はやはりとても魅力的であり、CGを駆使してレゴブロックをストップモーション・アニメ風に動かすというアイデアも面白い。建物ばかりでなく、煙や炎、波といったものまでレゴブロックを使って表現しているのだが、これを映画館の3Dで見ていたらさぞかし迫力のある映像を目にすることが出来ただろう。

ということで、本作は既に続編の製作が決定しているらしいのだが、この素晴らしいストーリーを越えるようなアイデアがそう簡単に思いつくのか大いに疑問。まあ、ダメなときには、バットマンの他、本作ではあまり出番の無かったスーパーマンやグリーンランタン、ワンダーウーマンを再登場させて、実写版より一足先にジャスティス・リーグの大活躍を見せて欲しいと思います。