奈良旅行(第3日目)

最終日の目的地は、俺のリクエストで法隆寺

娘のスタミナが残っていれば、朝一で春日大社の“早朝お参り”か大仏様の“お身拭い”でもと思っていたのだが、まあ、無理は禁物ということで、昨日よりゆっくりと朝食をとってからホテルをチェックアウト。タクシーでJR奈良駅に向かい、ここからJR法隆寺駅へ。

JR法隆寺から法隆寺まではタクシーで10分もかからない。俺としては、田園風景の中、遠くから次第に法隆寺五重塔が見えてくるというシチュエーションを期待していたのだが、実際は普通の住宅街の中を通って行くだけであり、タクシーを降りたところからも五重塔は良く見えない。

しかし、西院伽藍内の五重塔と金堂とが並んで建っている様子はやはり見事であり、ピサの斜塔&大聖堂の組合せと比較しても遜色ないほどの素晴らしさ。金堂内の釈迦三尊像は教科書で見たとおりだったが、昨日まで見てきたお寺の仏像に比べ、ここの仏像にはほっそりした容姿のものが多いことが法隆寺の歴史の長さを感じさせてくれる。

その後、西円堂や聖霊院を見てから大宝蔵院へ。夢違観音や玉虫厨子といった名品の数々が展示されているが、一番見たかったのは「古寺巡礼」でも大きく取り上げられていた百済観音。そのスレンダーなスタイルといい、威圧感が全く無い表情といい、俺の抱いていた仏像のイメージとは相当異なるが、何ともいえない魅力を有しているのは否定できない。

次に向かった東院伽藍の夢殿にも救世観音像というとても興味深い仏像が安置されているのだが、こちらは秘仏ということで今日は公開されていない。仕方ないので、東院伽藍の裏手にある中宮寺の菩薩半跏像を見てから法隆寺を後にした訳であるが、この2つのお寺にある数々の仏像の“ユニークさ”をこの目で再確認することが出来たのは、今回の旅行の大きな収穫の一つだった。

ということで、この後、JR奈良駅で偶然出くわした生“せんとくん”と記念写真を撮ったり、近鉄奈良駅4階にある「なら奈良館」を見学したり、最後のお土産を買ったりしてから、午後3時30分発の近鉄特急で帰路についた。酷暑の中、当初の予定を無事消化できたのは大成功といって良いが、次回は、出来ればもう少し涼しい時期に室生寺の方まで足を伸ばしてみたいところです。