雪の古峰ヶ原

昨年末に購入した軽アイゼンを使用するチャンスがなかなか巡ってこないので、一念発起して“雪山”に挑戦してみることにした。

とはいっても、そこは初心者ということで安全第一を心掛け、場所も手頃そうな鹿沼市の古峰ヶ原を選択。ルートは「古峰神社〜三枚石新道〜三枚石〜古峰ヶ原峠〜古峰神社」を考えたが、三枚石新道の雪が多いようなら、古峰ヶ原峠に車を止めて三枚石(又は方塞山)までのピストンにする予定である。

鹿沼市内までは晴れていたお天気も、古峰神社に近付くにつれて雪が舞うようになるが、昨晩の天気予報では今日は快晴だった筈。天気の回復を信じながら、古峰神社の先にある三枚石新道の入り口まで行ってみると、幸いなことに雪の深さは踝の上くらいだし、つい最近のものらしい靴跡も確認できる。

これならばということで、古峰神社の駐車場まで引き返して車を止め、8時15分に駐車場を出発。三枚石新道の入り口(8時19分)から、雪の上に付けられた靴跡を辿って斜面を上って行く。最初の沢を渡ったところで持参した軽アイゼンを装着するが、つま先部分のベルトの締め付けが上手くいかないため、このベルトが度々外れてしまうのが困りもの。

それを直すために一々立ち止まらなくてはならないのでスピードは上がらないが、まあ、雪道初心者にはそれが良い休憩にもなる。そんな調子でしばらく進んで行くと、数十m先に先行の二人組を発見。今まで辿って来た靴跡は彼等のものかと思うと感謝の気持ちで一杯であるが、出来ればこのまま最後まで先行願いたいということで、さらにペースを落とす。

しかし、先行する方々のペースもあまり上がらないらしく、三枚石まであと半分くらいのところで彼等に追いついてしまい、軽く挨拶をした後は俺が先を行くことになってしまった。当然、雪道でのルートファインディングは初めての経験であるが、まあ、このまま尾根を上って行けば大きな間違いはないだろうとやや強引に進んで行く。

とはいっても、当然、踏み跡は見えない上に足裏の感触も当てに出来ないということで、尾根筋が分かり難くなる辺りで左方向へトラバースすべきところを直進してしまい、いつの間にかルートを大きく外してしまう。慌ててGPSを取り出して左へ方向転換したところ、再び正規のルートに復帰することが出来たが、10時17分にようやく三枚石に辿り着いたときは、正直、ホッとした。

超スローペースで上ってきたため、体力的にはまだ余裕であるが、あまり遅くなって家族に心配をかけるのも避けたい故、方塞山は諦め、古峰ヶ原峠へ向かう。雪は脛くらいまであるものの、こっちは道幅が広いためルートは明瞭であり、誰の靴跡もない雪の上をどんどん歩いて行く。ただし、天気の方は改善の兆しはなく、天狗の庭(10時24分)を通過した頃から風が強まり始め、10時45分に着いた古峰ヶ原峠は吹雪の中。

しかし、それから先もルートはハッキリしており、雪が積もっているせいで階段の下りも足に優しく感じられるくらい。11時6分に「関東ふれあいの道」の入り口に着くと、それから先はアイスバーンと化した車道を歩き、11時34分に古峰神社の駐車場に戻ってきた。

ということで、悪天候の中の雪山初体験は無事終了した訳であるが、雪に覆われた三枚石新道でのルートファインディングはとても難しく、途中まで先行してくださった方の靴跡とGPSが無かったら途中敗退は避けられなかったと思う。しかし、適度な緊張感を伴った雪山歩きはなかなか面白く、またどこか安全そうな場所を探して挑戦してみたいと思います。