アバター

今日は、やはり3Dがウリの作品は映画館で見なくては、ということで、家族で「アバター」を見に行ってきた。

ストーリーや登場するキャラクターに関しては、「ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990年)」や「もののけ姫(1997年)」、「エイリアン2(1986年)」といった作品名がすぐに頭に浮かぶくらい、まあ、ハッキリ言ってありきたりな訳であるが、それはストーリーよりも3D映像の方に注目して欲しいというキャメロン監督の狙いでもあり、かつてCG技術の凄さを見せつけてくれた「ジュラシック・パーク(1993年)」と同じ作戦。

海兵隊員というマイルズ大佐が、最近の作品では珍しいくらいにストレートな悪役を引き受けてくれているため、161分という上演時間中、観客は何も悩むことなしに素晴らしい3D映像を堪能することが出来る。「カールじいさんの空飛ぶ家(2009年)」のときにも感じたとおり、飛び出すというよりは奥行きが出るといった印象であるが、実写さながらの迫力は同作の比ではなく、見終わったときには軽い疲労感を覚えた程であった。

まあ、これだけの作品を作られてしまっては、今回の3Dブームを一過性のものと言い切る自信は失せてしまうのだが、普段メガネをかけている人(=俺を含む。)にとって、さらにこの重い3Dメガネをかけさせられることはかなりの苦痛。こんな金のかかる作品を今の我が国で製作することはほとんど不可能なんだろうが、せめてこの負担を軽減する方法くらいは考案していただきたいものである。

ということで、(そうは言っても)俺より上の世代では、こういった密林における戦闘シーンを娯楽作品として描くこと自体に少々抵抗のある方もいらっしゃるように思うのだが、サイゴン陥落から早や35年、米国においても“ベトナムは遠くなりにけり”ということなのでしょう。