富士山(2日目)

午前2時30分に目覚まし時計の音で目が覚める。昨晩に比べると風の音が強いのが気になるが、雨は降っていない模様。朝食を食べ、身支度を整えてから、予定どおり午前3時に駐車場を出発する。

星も見えず、辺りに誰もいないのが少々不安であるが、ヘッドライトの光を頼りに昨日確認しておいた登山口に入る。長丁場ということで、いつもの1/2から1/3くらいのスピードでゆっくり歩いて行くと、前方に10人くらいのグループが歩いているのを発見。ちょうど良いので、彼等の後に付いて行こうとしたが、そのあまりの遅さに耐えられずに結局追い越してしまい、再び単独行。

3時16分に吉田口との合流点に着き、ここから緩やかな上りが始まる。再び前方から人の話し声が聞こえてくるが、なかなか姿が見えない。随分大きな声で話しているんだなあと思いながら歩き続けていると、ようやくその犯人を発見。安全指導センターで流している安全登山を呼びかける録音の声だった。

3時37分に安全指導センターの係員の方からパンフレットを頂き、その先からジグザグに曲がった登山道が始まる。ここからは七合目から上にある山小屋の灯りが目印になるため、ルートを間違う不安は全くない。まだまだ随分と距離はありそうだが、時間は十分にとってあるので、高山病にならないようダラダラといったペースで上って行く。

次第に東の方が明るくなってきた頃に七合目にある最初の山小屋に到着(4時18分)。山小屋の前ではご来光を見るために数名の宿泊客がカメラを持って待機していた。まだ全然疲れていないが、このへんで一回休憩を取ることにして持参したウィダーインゼリーを一袋食べる。休憩後、再び歩き始めると4時40分頃に雲の間からご来光を見ることが出来た。

七合目から先は溶岩の岩場が始まり、他の登山客も目に付くようになる。おそらく昨晩、山小屋で宿泊した人たちだと思うが、何故か皆さんまだお疲れのようで歩くペースは極めて遅い。そんな方々を時々追い越させて頂きながら、八合目(5時1分)〜本八合目(5時45分)と歩いて行く。

九合目で2回目の休憩を取ろうと思っていたのだが、どこが九合目なのか分からない。そうこうするうち、白い鳥居(6時12分)を通り過ぎると、6時28分には狛犬付きの鳥居のところに着いてしまい、6時30分に山頂到着。正直、登り始めてから3時間半で着いてしまうとは思ってもいなかった。

個人的にはセーブして歩いてきたつもりなので、山頂についてもさほど疲れは感じない。そんな訳で、自宅にメールをし、2袋目のウィダーインゼリーを食べてからお鉢巡りに出発。しかし、山頂は雲の中のため見通しは極めて悪く、ほとんど何にも見えない。時計周りが原則という筈だったのに、こっちに向かって歩いてくる人の方が圧倒的に多いのは何故なんだろう。

しばらくすると、霧がちょっと晴れてきて御殿場口の頂上(6時53分)に着いたことが分かる。その後、富士宮口の頂上を通り過ぎた頃から結構急な上り坂が始まり、7時21分に剣が峰に到着。日本最高地点の碑を写真に収め、さらに先に進もうとするが、そこからのルートは雪に覆われており、通行止めになっていた。

お鉢巡りが中途で挫折してしまうのはちょっと残念ではあるが、これで反時計回りに歩いている人が多かった理由も分かり、納得して来た道を引き返す。7時33分、先程は霧のため気付かなかった須走口下山道に着き、ここから下山が始まる。上りより下りの方が不得意なので心配していたのだが、斜面には砂が結構積もっており、これがブレーキ代わりとなって安心して下りていける。おそらく、砂走りっていうのはこれの大規模なものなんだろうなあ。

八合目にある下江戸屋分岐(7時59分)のところで須走口とはお別れ。この先から斜面上の砂が少なくなってくるため、多そうな所を選んでズンズン下って行く。スニーカーを履いている人も多いが、やはりこういうところは重い登山靴の方が快適かつ安全に下りられる。

七合目の公衆トイレ(8時37分)の所で休もうとしたのだが、「落石危険」の標識があったため、馬車が待機している場所(8時49分)の先まで我慢して、ここでようやく一休み。最後となる3袋目のウィダーインゼリーを食べる。その後、安全指導センター(9時4分)を通過し、9時24分に今朝出発した五合目登山口に帰って来た。

ということで、全体で6時間半という予想を相当上回るハイペースで念願の富士登山を完了することが出来た。確かに変化に乏しく面白みのないコースではあるが、夜間でも安全に登れるのはとても有難いことであり、年に一回くらいなら登ってみるのも悪くないと思いました。