インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

1994年作品
監督 ニール・ジョーダン 出演 トム・クルーズブラッド・ピット
(あらすじ)
18世紀末のニューオリンズ。若き農場主のルイ(ブラッド・ピット)は最愛の妻を亡くしたことによって人生に絶望し、自暴自棄の生活を送っていた。そんな彼に美貌の吸血鬼レスタト(トム・クルーズ)が興味を抱き、その能力によってルイも吸血鬼として生まれ変わるが、彼には人間だったときの記憶が色濃く残っており….


プルートで朝食を(2005年)」がとても面白かったので、他のニール・ジョーダン監督作品を見てみようと思い、まずは本作を鑑賞。

最初は現代が舞台であり、マロイというジャーナリストが吸血鬼を名乗る男性ルイにインタビューをするところから始まるんだけど、彼の回想が始まるや否や舞台はすぐに18世紀へと逆戻りしてしまう。

まあ、ここからは割とオーソドックスな吸血鬼のお話しになるんだけれど、決してゴシックホラーではなく、吸血鬼の“生活”を吸血鬼の側から描いているのがちょっと目新しい。ただし、我が国にはこのテーマを扱った作品として萩尾望都の「ポーの一族」という傑作漫画が存在するため、それに比較すると本作におけるレスタトとルイの苦悩もまだまだ底が浅いという印象を持たざるを得ないところ。

しかし、途中から彼等の仲間に加わる、黒のメリーベルならぬクローディアのキャラクターは秀逸であり、もう、彼女を中心に脚本を練り直したら断然良かったのにと思ってしまう程。彼女を演じているのは、幼かりし頃のキルスティン・ダンストな訳であるが、これが少女の中に併存する“女”を見事に表現している。

なお、最初と最後に出てくるインタビュアーのマロイ役はクリスチャン・スレイターが演じているんだけど、これはあのリバー・フェニックスが本作製作中に急逝したための代役とのことであり、それ故エンディングクレジットの最初に「In memory of River Phoenix 1970-1993」という文字が表示される。

ということで、エンディングテーマが「悪魔を憐れむ歌」っていうのもちょっとベタっていう感じがしないでもないが、まあ、名曲はいつ聴いても悪くない。演奏しているのはGuns N' Rosesだったんだけど、我らがThe Rolling Stonesのオリジナルをほぼ忠実にコピーしているので、ここは大目に見ておきましょう。