フェルメール展

東京都美術館で開催されている「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」を見てきた。

混んでいるという話しは聞いていたが、午前10時20分過ぎに会場に到着したときには「20分待ち」の表示がされており、入口の前には既に長い行列が出来ていた。まあ、俺自身、そんな俄かフェルメール・ファンの一員なんで、文句を言う訳にもいかず、大人しく行列の最後尾に並んで待っていると、さほど待たされることなく入場することができた。

この展覧会に出品されているフェルメール作品は全部で7点で、それが2部屋に分かれて展示されている。最初の部屋にあったのは比較的初期の作品であり、あまりフェルメールらしくないものばかり。しかし、「小路(こみち)」という作品は、彼の2枚しか現存しない風景画のうちの1枚という希少性以上に、その素朴な味わいが何故か見る人を惹きつける。

そして、次の部屋に展示されているのが、いかにもフェルメールらしい「ワイングラスを持つ娘」、「リュート調弦する女」、「手紙を書く婦人と召使い」そして「ヴァージナルの前に座る若い女」の4点。そうはいっても、描かれた時期によってそれぞれ雰囲気に違いがあり、個人的には最も“静謐感”の高い「リュート調弦する女」が一番気に入った。

ということで、この展覧会には、フェルメール作品以外にも、彼と同時代のデルフトの画家たちが描いた作品が数多く展示されていたんだけれど、その中ではレンブラントの弟子というカレル・ファブリティウスの作品が群を抜いて素晴らしく、事故によって彼の作品が10点余しか現存していないというのはとても残念なことです。