チーム・バチスタの栄光

第4回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した海堂尊のデビュー作。最近映画化されたために再び話題になっているらしく、妻が購入したのを借りて読んでみた。

大学病院で行われたバチスタ手術という非常に困難な手術中に起きた死亡事故がテーマということなんだけど、テーマがテーマだけに専門的な記述が多く、用いられたトリックの意外性とか、さらにはそのトリックを暴いた手法がどれほど鮮やかなのか等々が、読んでいてさっぱり解らない。

まあ、この作品の魅力は、探偵役になる大学病院の万年講師とロジカル・モンスターの異名を持つ厚生労働省技官の二人の掛け合いの面白さにある訳で、トリックの内容なんかは二の次ということなんだろうけどね。

また、途中で予想した犯人が珍しく大当たりだったんだけど、その時点ではまだ相当ページ数が残っていたため、最後にドンデン返しがあるのだろうと思っていたら、ほのぼのとした後日談があっただけでお終いというのもちょっと期待ハズレでした。

ということで、映画の方は阿部寛主演と聞いていたので、万年講師役はずーっと彼をイメージして読んでいたんだけど、読み終わってから調べたところによると彼が演じたのは厚生労働省技官役の方だった。うーん、信じられない。