ビー・ムービー

ジョニー・デップを大好きな娘は彼の主演する「スウィーニー・トッド」を楽しみにしていたんだけど、それが15歳未満お断りであることを知り困惑中。“グロなのは耐えられるけど、法を犯すことには抵抗がある”そうである。

ということで、彼女の遵法精神を尊重し、家族で「ビー・ムービー」を見てきた。

製作がシュレック・シリーズで有名なドリームワークスという割には、下ネタやブラックジョークも少なく、意外なほど健全な作品に仕上がっている。ニヤリとしたのはハチミツ泥棒のプーさんを捕まえるところくらいかなあ。近親相姦ネタもサラッと流す程度だったし・・・

主人公のバリーがミツバチということで、彼の最初の空中飛行シーンの描写はなかなか素晴らしい。そして、次にどんな冒険が彼を待ち受けているのか期待していると、これがハチミツの帰属を巡る人間vsミツバチの裁判劇。まあ、このへんのナンセンスぶりがドリームワークスの持ち味なんだろうけど、ここではそのナンセンスさが一向にエスカレートしていかないんで、正直、ちょっと退屈です。

で、この裁判シーンに時間を使い過ぎたせいか、その後の展開は相当の駆け足モード。スピーディーといえば聞こえは良いが、伏線とかはほとんど無しで話が進んでいくため、途中でどんな大事件が起こってもハラハラドキドキ感は伝わってこない。まあ、俺自身、根が純真なもんで、墜落寸前のシェット機をミツバチの仲間が助けに来てくれたところでは、思わずちょっと涙ぐんでしまったけれど、どうせ感動させてくれるんならやっぱりバリーが針を使わざるを得なくなるっていうシーンを入れなきゃダメだろうと思う。

まあ、決して悪い作品とは思わないけど、ピクサーと正面から勝負するつもりだったのなら、残念ながらまだ力不足と言わざるを得ないところ。あ、それとヒロインのヴァネッサの造形をもう少し何とかしてもらえれば有難かったです。