山河遥かなり

1949年作品
監督 フレッド・ジンネマン 出演 モンゴメリー・クリフト、アリーン・マクマホン
(あらすじ)
第2次大戦終結直後のドイツ。ナチの収容所等から国連救済所に送られて来た子供たちの中にどんな質問にもドイツ語で“知らない”としか答えない少年がいた。彼は自分が救出されたということが理解できず、友達に誘われるまま移送中の車から脱走するが、その友達のほうは川で溺死。一人で廃墟を彷徨っていた彼は、米兵ラルフ・スティーヴンスン(モンゴメリー・クリフト)に拾われる….


昨日見た「去年の夏 突然に(1959年)」にも出ていたモンゴメリー・クリフトの出演作品。

冒頭、貨車に乗せられて国連救済所に送られてくる子供たちの描写から始まるんだけど、ここらへんはまるでドキュメンタリーのように撮影されており、常に怯えたような目をしてどんな命令にも素直に従うという子供たちの姿は見ていてとても痛々しい。特に、これまで数々の希望を打ち砕かれてきたであろう彼等が、自分たちが本当に救われたんだという現実を受け入れることができずに逃げ出してしまうシーンは、やりきれないほどに印象的。

で、そうやって脱走してきた少年が、偶然、モンゴメリー・クリフト扮する米兵と出会うあたりでそれまでの雰囲気が一変し、ここからは善男善女による感動的なお話しになっていく。少年の身元が判らないため、すぐ近くまで訪ねてきている実の母親となかなか会うことができないんだけど、ラストではいくつかの偶然が重なって遂に感動の再会を果たし、メデタシメデタシ・・・

いや、決してこの展開が悪いと言っている訳ではないんだけど、冒頭のドキュメンタリーチックな部分がとてつもなく“重い”ため、どうしてもそれ以降のお話しがちょっと嘘臭く感じられてしまうんだよね。うーん、このへんはとても難しい問題です。

主演のモンゴメリー・クリフトは、「赤い河(1948年)」で注目を集めた直後ということで、流石に若くて元気一杯。この作品で早くもアカデミー賞の主演男優賞にノミネートされている。また、監督のフレッド・ジンネマンにとっても出世作となった作品であり、ドキュメンタリーの父と言われたロバート・フラハティの下で働いた経歴が伊達ではなかったところを見せてくれる。

ということで、邦題は全く意味不明だけど、久しぶりにモンゴメリー・クリフトの好青年ぶりが見られたこともあって、まあ満足できる出来。この間に10年の歳月が経過したとはいえ「去年の夏 突然に」に出演している彼とは大違いです。しかしなあ〜、こんなにカッコ良い青年が女性に興味がなかったっていうのは、神様も随分意地が悪いよなあ〜。