パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド

家族で心待ちにしていたパイレーツ・オブ・カリビアンの完結編が遂に公開されたということで、早速、家族で見に行ってきた。

三部作の完結編っていうのは、それが人気シリーズであればあるほど観客側の期待が大きくなり、それに応えるのは大変なこと。先日見た「スパイダーマン3」がやや期待外れ気味な感じだったこともあり、本作もちょっと心配だったのだが、まずは合格点を差し上げられる出来に仕上がっていたので一安心。

特に、ジョニー・デップファンの我が家としては、前作でクラーケンの餌食になってしまったジャック・スパロウ船長が意外に早く画面に登場してくれたのがとても嬉しかった。まあ、いつものパターンで最初のほうの展開がちょっとモタついた感はあるものの、ジャックが現世に復活したあたりからはテンポを取り戻し、クライマックスのブラック・パール号とフライング・ダッチマン号の決闘シーンは迫力十分の素晴らしい出来栄え。

前作、前々作と不必要と思われる程にストーリーを膨らませてきた分、今回はその帳尻合わせが大変だったとは思うが、そのために170分という小さいお子様方の忍耐力を全く無視した時間を費やし、セリフに頼りすぎな部分はあったものの、一応、丁寧にフォローしてみせた誠実さは評価してあげたい。

まあ、このシリーズの特色ともなったお世辞にもスマートとはいえない脚本ではあるが、もともと制作側に“名作”を作ろうなんて気は全く無いんだろうから、こういった観客が喜びそうな小ネタを目いっぱい詰め込むっていうやり方も、決して間違いではないと思う。

確かに、そのためストーリーが煩雑になり、見ていて「?」と思う部分もいくつか出てくることになるけれど、物語の大筋自体は単純なんだから、そんな些細な疑問は一応無視しておいて問題なし。むしろ、後日DVDで見直すときの楽しみが増えるっていうくらいのもんでしょう。

ということで、帰りの車の中でも我が家のこの作品に関する話題は尽きなかった訳であるが、そんな中、このシリーズの内容を一番良く理解しているのが娘であったことが判明。“ジャックがデイヴィ・ジョーンズの心臓に剣を突き刺すのを一瞬躊躇ったのは何故か”等々の妻の疑問に対し、彼女が逐一的確に回答していたのにはちょっと感動しました。願わくばその卓越した理解力を学校の勉強にも….

さて、これで三部作は完結した訳だが、本作も相当のヒットになると思うので、続編も十分に期待できそう。ひょっとすると、次は、エンドロール後のラストシーンで出てきたウィルとエリザベスの息子が登場するのかもしれないけど、出来ればその前にジャック船長単独で1本撮って欲しいなあ。