2006年作品
監督 リチャード・ドナー 出演 ブルース・ウィリス、モス・デフ
(あらすじ)
NY市警のジャック・モーズリー刑事(ブルース・ウィリス)は、証人のエディ・バンカー(モス・デフ)を16ブロック先の裁判所まで護送する任務に就くが、その途中、何者かの襲撃を受ける。ところが、ジャックの要請により応援に駆け付けたはずの刑事から、彼は意外な事実を告げられる。それは、裁判で警察の不正を裏付ける証言することになっているエディを、この場で事故に見せかけて殺すという話だった….
警察による組織的犯罪を扱った映画はこれまでにも多々作られており、記憶に残る作品も少なくない。そのため、ベテランのリチャード・ドナー&ブルース・ウィリスのコンビが今度はどんな新しいアイデアを見せてくれるのかちょっと楽しみにして見たのだが、うーん、期待が大きかった分、ちょっと外したかなあ。
ジャック・モーズリー刑事はアル中な上に足が悪いという設定のため、最初っから派手なアクションは無理。となると、お楽しみはニューヨークを舞台にした大人同士の追っかけっこになる訳だが、残念ながらこの追っかけっこに新しいアイデアが見られない。また、終盤にちょっとした意外な展開があるんだけど、これによってエディ君がストーリーから外れてしまうのも不満です。
おまけに、ラストの緊迫感もいま一つ。DVDの特典映像に「もう一つのエンディング」が入っているんだけど、まあ、どっちもどっちっていう程度であり、要するに決定的なエンディングが思いつかなかっただけなんじゃないの、なんて勘ぐってしまいたくなる。
と、ここまで悪口ばっかり書いてきてしまったが、普通に見れば決してつまらない映画ではない。特に、最近の映画にしては銃撃シーンなんかもおとなし目で、頭部から血が噴き出すといった恐ろしい映像も無いため、チキンな俺でも安心して見られるのは誠に有難い。これで思わず膝を打つようなアイデアが一つでもあれば、本当によかったのになあ。