独立愚連隊

1959年作品
監督 岡本喜八 出演 佐藤允中谷一郎
(あらすじ)
第二次大戦末期の北支戦線。従軍記者の荒木(佐藤允)は、一人馬に乗って各地の部隊を取材して回るという危険な業務に従事していた。彼は、大久保という見習士官の消息を求めて彼が所属する小哨隊を探しに行くが、そこは“独立愚連隊”と呼ばれる各隊のクズを寄せ集めた集団であり、隊を率いる石井軍曹(中谷一郎)も謎の多い人物であった….


「もはや戦後ではない」といわれたのは1956年。その3年後に公開された本作は、戦場を舞台にはしているものの、“戦争映画”というより、誰かが言っていたように“和風西部劇”といったほうがピッタリくる。

脚本も手がけた岡本喜八の演出はどことなくバタくさく、それを佐藤允が一生懸命演じているのだが、やはりちょっと違和感がある。中谷一郎とか中丸忠雄とかのちょっと抑え気味の演技はとても良いのだが、スティーブ・マックィーンのやるようなカッコいい役って日本人には向いていないのかなあ。

ストーリーのほうも、大久保見習士官の仇討ちがメインテーマになるのだが、それ以外にも荒木を一途に慕う慰安婦雪村いづみが扮しているのだが、これが意外にカワイイ!)が出てきたり、仇討ちが終わった後に大した必要もないのに敵の大群(インディアンの代わり?)と戦って全滅してみたりと、サービス満点。

一方、岡本喜八の人望によるものなのか、出演者の中に懐かしい顔がたくさん出て来るのだが、その役が次にどうなるのかと思って観ているとこれが結局出てこない。いわゆるカメオ出演っていうヤツで、前にも書いたけど俺はあまり好きではない。ただ、三船敏郎鶴田浩二は別格で、両者ともマンガみたいな役なのだが、その存在感は流石でありました。