デュー・デート 〜出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断〜

2010年作品
監督 トッド・フィリップス 出演 ロバート・ダウニーJr.、ザック・ガリフィナーキス
(あらすじ)
待望の第一子誕生を5日後に控えた建築家のピーター(ロバート・ダウニーJr.)は、妻の出産に立ち会うため、出張先のアトランタから自宅のあるロサンゼルスへと向かう飛行機に乗り込む。しかし、空港で偶然に出会ったイーサン(ザック・ガリフィナーキス)という俳優の卵とのちょっとした諍いにより、彼はテロリストの疑いをかけられた上に飛行機への搭乗を拒否されてしまう….


ハングオーバー!(2009年)」のトッド・フィリップス監督による新作コメディ映画。

ピーターの乗るはずだった飛行機は、彼の財布や身分証を乗せたまま飛び立ってしまい、無一文になった彼は、イーサンの借りたレンタカーに同乗させてもらって妻の待つロサンゼルスへ向かうことになるのだが、このイーサンという男が相当にユニークな個性の持ち主であり、彼の奇行に振り回されるピーターの哀れな姿が観客の笑いを誘う・・・

という構造の映画なんだと思うが、俺の場合、自分自身をピーターに重ね合わせながら鑑賞してしまったため、特に前半は、彼と一緒になってイーサンの無神経な行為に腹を立ててばかりいるような状態。生理的嫌悪を伴うギャグも少なくないため、見ているうちにだんだん気分が悪くなってくる。

まあ、この構造は、ザック・ガリフィナーキス自身も出演していた「ハングオーバー!」と一部共通しているところもあるのだが、同作品における彼の被害者が複数だったのに対し、本作ではほとんどピーター君一人だけということで、その被害の状況を第三者的に楽しむというスタンスが取りづらかったのかもしれない。

しかし、後半、ある事件が契機となってピーターとイーサンの間に男の友情が芽生えるあたりから観客側の不快感も急速に低減していき、夕暮れのグランドキャニオンを背景に二人が和解するシーンはなかなか感動的。個人的な好みからいえば、このシーンをもう少し早い段階で見せて欲しかった。

ということで、「ハングオーバー!」については、米国では既にその続編が公開されているようであり、勿論、ザック・ガリフィナーキスも出演しているとのこと。正直、彼がこのままコメディアンとして大成するのかどうかは微妙なところだと思うのだが、とりあえず注意して見守っていきたいと思います。