ウルビーノのヴィーナス展

国立西洋美術館で開催中の「ウルビーノのヴィーナス」展に行ってきた。

“古代からルネサンス、美の女神の系譜”という副題が示すとおり、この作品以外にも、古代、ルネサンス、そしてバロック初めに至るまでのヴィーナスを主題とする絵画、彫刻、工芸品等約70点が展示されている。

ウルビーノのヴィーナス」自体は、去年のイタリア旅行の際、ウフィツィ美術館で一度見ているんだけど、正直、あのときはこれ程までに有名な作品とは露知らず、帰国してから“もっと良く見ておくんだった”と後悔していたところだったので、今回はそれこそ穴があくほどじっくりと鑑賞させていただいた。

とはいっても、やっぱり印象的なのはあのこちらを見つめる眼差しであり、今、思い出してみても思い浮かぶのは彼女の顔ばかり。色使いも鮮やかな、とてもきれいな作品なんで、もっと細部に至るまで全体を舐めるように見るつもりだったんだけど、あんなに見つめられるとこちらもつい目が離せなくなってしまうんだよなあ。まあ、残念だけど仕方がない。

他にもいろんなヴィーナスを見ることができたが、みなさん、割と豊満なスタイルの方が多く、「ウルビーノのヴィーナス」はほっそりと描かれている方の部類に属する。他ではルカ・カンビアーゾ作の「アドニスの死」に出てくるヴィーナスもほっそり派であり、愛するアドニスの亡骸の側に佇む姿はとても印象的だった。

ということで、いたるところ美女だらけという至極楽しい展覧会だった。見終わった後、常設展のほうも見てみたんだけど、あまり時間がなくて途中から駆け足になってしまったのがとても残念。国立西洋美術館は現在改装中ということなので、それが済んだらまた来ようと思います。