トランスフォーマー

2007年作品
監督 マイケル・ベイ 出演 シャイア・ラブーフミーガン・フォックス
(あらすじ)
カタールアメリカ空軍基地に数ヶ月前に撃墜されたはずの軍用ヘリが飛来。兵士たちが見守る中、そのヘリは突如ロボットに変形して基地を壊滅状態に陥らせ、国家機密データを盗み出そうとする。その頃、アメリカの地方都市に住む高校生のサム(シャイア・ラブーフ)は、一台の中古車を手に入れた….


日米合作アニメの実写化。スティーヴン・スピルバーグが制作総指揮を担当している。

うーん、主役はロボットじゃないんだぁ。原作アニメの方はまともに見たことがないんで、この“高校生の男子が主役”っていう設定が原作のせいなのかどうか判らないんだけど、この作品を見た限りではその必要性は全く理解できない。何故、サム君はあのクライマックスとなる戦闘シーンに参加していたんだろう?

まあ、この点に限らず、他にもちょっと常識では考えられないようなストーリー展開や、無駄なエピソードが沢山出てくるため、見ている間中、こっちの頭の中は???状態。なんとか合理的な理由を考えてストーリーを理解しようと努めるのに精いっぱいで、緊迫感なんか感じている余裕は全くない!

絵作りのほうでも、肝心のロボット達が戦うシーンの描写が下手なため、戦闘全体の把握はおろか、敵味方の区別すらつかない有様。ロボットのあの変形シーンには賛否両論あると思うけど、ああ何回も使われちゃうと(最初はちょっと感動したとしても)あっという間に陳腐化してしまう。変形後のロボットのお姿もあんまりカッコ良くないしね。

まあ、相当に不出来な脚本をスピーディーな演出(?)で誤魔化そうとしたのかもしれないけど、このダメさ加減は致命的。やはり脚本を一から見直すべきだったと思う。冒頭のアメリカ空軍基地のシーンなんかはそれなりに面白かった(=まあ、スピルバーグなら、あそこで敵のロボットをあんなにハッキリと描写しなかっただろうけど。)のだから、あのまま最後までやっていただけたら、もう少しはマシな作品になっていたかも知れない。

ということで、やっぱりロボットアニメの演出は日本の方が一枚上手なのかもしれないけれど、そうするとSFXのレベルが格段に低下してしまうのが悩ましいところ。何かアメリカでは大ヒットしたそうなんで、もし、続編が作られるようであれば是非ともスピルバーグ御自身に監督をお願いしたいものです。