キューティ・ブロンド

2001年作品
監督 ロバート・ルケティック 出演 リース・ウィザースプーンルーク・ウィルソン
(あらすじ)
陽気なブロンド美人のエル・ウッズ(リース・ウィザースプーン)は、社交クラブの会長を務める大学の人気者だったが、卒業を間近に控えたある夜、名家の御曹司である恋人のワーナーにフラれてしまう。“政治家が結婚するのは、モンローじゃなくてジャッキー”という彼の言葉に発奮した彼女は、自分も彼の進学先であるハーバード・ロー・スクールに進むことを決意し、猛勉強の末、見事入学試験に合格するのだが....


何故かこれまで見る機会のなかったリース・ウィザースプーン主演のコメディ作品。

ブコメだろうと思って見始めたのだが、実際は“ブロンド女はバカ”という俗説に果敢に挑戦する主人公の奮闘を描いたハリウッド映画お得意の根性物であり、最初の方では、ブロンド女のエルが、知能指数の高そうなハーバード・ロー・スクールの女性たちからバカにされたり、嫌がらせを受けたりする“女同士の争い”の様子が描かれている。

しかし、後半になると、男たちの卑劣な言動が契機となってそれまで対立していた女性たちが一致団結。にわかに“女対男”的なテーマが浮上してくるあたりがなかなか面白いのだが、そうはいっても所詮は(?)ハリウッド製コメディ映画ということで、最終的には、優秀な女性たちが駄目な男性たちに勝利するという無難な結末となっている。

まあ、おバカなブロンド女の代表だと思っていたエルが、実はそんな優秀な女性たちの一人だったという展開は少々残念であり、彼女が、主要な登場人物の中で唯一人まともな男性であったエメット(ルーク・ウィルソン)と結ばれるというラストからは、昨日の「ベティ・サイズモア(2000年)」と比べても随分と保守的な印象を受ける訳であるが、それにもかかわらず何とか許せてしまえるのは、エルに扮するリース・ウィザースプーンの“魅力”のせいなんだろうか。

彼女をじっくりと見たのは今回が初めてであり、正直、美人というよりは随分と親しみ易い雰囲気を持った女優さんなのだが、本作の結末をエルの努力の成果だと観客に素直に認めさせる上では、彼女の愛嬌のあるルックスが大いに役立っているのかもしれない。

ということで、ブロンドというだけでマリリン・モンローと同じ範疇に区分するのは相当無理があると思うのだが、そんな彼女が、アカデミー賞の主演女優賞に輝いた「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道(2005年)」でどんな演技を見せたのかちょっと気になるところであり、機会があったら見てみようと思います。