デトロイト・メタル・シティ

2008年作品
監督 李闘士男 出演 松山ケンイチ加藤ローサ
(あらすじ)
根岸崇一(松山ケンイチ)は、おしゃれなポップミュージシャンに憧れて大分の田舎から上京。大学での音楽活動を経て、某音楽事務所の新人ミュージシャン募集に応募するが、いつのまにか悪魔系デスメタルバンド“デトロイト・メタル・シティ”のギター兼ボーカルのヨハネ・クラウザーII世としてデビューすることになってしまう。そんなとき、彼は街で偶然に大学時代の同級生の由利(加藤ローサ)に再会する….


若杉公徳という漫画家さんが描いたギャグ漫画の映画化らしいが、俺は未読。

デスノート(2006年)」以来の松山ケンイチのファンである娘のリクエストで見てみた訳であるが、開始早々、何ともテンポの悪い演出にいきなり戸惑ってしまう。いや、設定自体は大変面白いので、何も考えずにベタなコメディ作品にしておけばそれなりに笑える作品になっていたと思うのだが、これって意識的にやっているのかねえ。

例によって、主演の松山ケンイチは根岸崇一とヨハネ・クラウザーII世という対照的な二つのキャラを熱演しており、最初から最後まで一生懸命にボケまくってくれているのだが、いまひとつオチが明確でない上にツッコミをいれてくれる相方も不在ということで、なかなか笑うに笑えない。結局、最後まで彼の熱演が見事なくらいに空回りしており、あまりの痛さに見ているこっちの方が辛くなって来る。

一方、音楽がテーマということで、作中でもポップ系からメタル系まで様々な楽曲が演奏されるのだが、こっちの方も下手なギャグかと思うくらいに駄作ぞろい。まあ、これに関しては、単に俺が付いていけていないだけという可能性も相当あるのだろうが、ラストにジャック役で登場する某大物ミュージシャンにしても、俺たちオヤジ世代にとってはお子様バンドの一員に過ぎない。

ということで、言い出しっぺの娘も途中で見るのを止めてしまうという悲惨な出来の作品であり、劇場公開時、それなりにヒットしたというのがちょっと信じられないくらい。万が一、続編が出来るような場合には、少なくとも監督と脚本家は別な人にお願いした方が良いと思います。