イタリア旅行(第4日目) ピサ、フィレンツェ観光

今日はいつもよりちょっと遅めの出発で、まずはピサへ。

何かの手違いで傾いてしまっただけの塔の見物には、正直、あまり期待していなかったんだけど、美しい青空をバックに真っ白な塔の姿が目に入ってくると思わずちょっと興奮。城壁の中には斜塔のほかにドゥオモと洗礼堂があるんだが、これらの配置が正に絶妙で、成程これは一見の価値がある。

ピサの斜塔

12世紀後半、高さ100mの計画で着工されたが、地盤が弱かったために建築途中から傾き出し、高さを55mに変更して完成させたそうである。現在の傾斜角度は5.5度とのことであるが、これが本当に絶妙な傾き加減! 我が家を含め、皆さん飽きずに何枚も写真を撮っていました。

◎洗礼堂

斜塔とドゥオモは外観だけだったが、ここは中へ入って見学。何故かというと、この建物は内部の音響効果の凄さが売りだからで、係員のお兄さん一人の声が反響によってまるで合唱隊のコーラスのように聞こえるのにはちょっと感動した。


この後、お土産屋さんを冷やかしてから再びバスに乗り、午後の目的地であるフィレンツェへ。はじめにミケランジェロ広場に行ってフィレンツェの街並みを一望した後、市内でバスを降り、ドゥオモ、シニョーリア広場そしてウフィツィ美術館を徒歩で見学した。

ミケランジェロ広場

アルノ川南岸の高台にある広場で、ここからフィレンツェ市街地が一望できる。これから行くドゥオモの巨大なクーポラも良く見えました。

◎ドゥオモ

ピサと同様、ここもドゥオモと塔(=ジョットの鐘楼)、洗礼堂がワンセットになっているんだが、白大理石を基調に緑、ピンクの大理石によって装飾されたゴシック様式の外観はともに共通で、とても美しい。内部は、ミラノのドゥオモよりも明るくて開放的な雰囲気であり、写真撮影もOK。巨大なクーポラの内側にはジョルジョ・ヴァザーリ等による「最後の審判」のフレスコ画が描かれている。

シニョーリア広場

ドゥオモから歩いて15分くらい。ちょっと前に見た「眺めのいい部屋(1986年)」にも出てきたけど、観光客に埋め尽くされていて映画のような印象はない。隣接するヴェッキオ宮の前には、ミケランジェロダヴィデ像のレプリカがある。

ウフィツィ美術館

俺にとっては、今回のイタリア旅行のハイライトの一つ。名前のとおり内部はとても事務的であり、ダ・ヴィンチの「キリストの洗礼」、「マギの礼拝」そして「受胎告知」の3枚が、何のハッタリもなしにまとめて一面の壁に掛けられている。光の加減なんだろうが、「受胎告知」は上野で見たときよりも色の深みが足りないような気がしたが、手を伸ばせば触れる位置からじっくり鑑賞することができるそのさり気なさは、むしろ感動的。
でも、この美術館の目玉はやっぱりボッティチェッリで、彼の代表作である「ビーナス誕生」と「春」がこれも一室内に置いてある。かつて学校の美術の教科書で「ビーナス誕生」を見たときは、“デッサンが下手だなあ”くらいの印象しか無かったんだけど、実際の作品はかなりの大作で迫力十分。当然のことなんだろうが、やっぱり絵画は現物を見なくちゃダメだね。
館内では例によって現地ガイドの解説があったんだけど、この方はルネサンス専門らしく、この後にミケランジェロラファエロを見て見学終了。でも、幸いなことに館内にいるうちに自由行動になったので、ティツィアーノの「ウルビーノのビーナス」やカラヴァッジョの作品も見ることができた。


ヴェネツィアのときと違い、今回はウフィツィ美術館見学後に2時間の自由行動があることが事前に知らされていた。添乗員さんからは、パラティーナ美術館やドゥオモの展望台(エレベーターがないので、464段の階段を登る!)といったお勧めコースの説明があったが、絵画ばかりでは子供たちが飽きてしまうだろうということで、体力面も考慮し、「最初にヴェッキオ橋に行き、そこから途中にあるダンテの家を見ながら、集合地点そばのドゥオモ博物館まで」という楽チンコースを決めておいた。

◎ヴェッキオ橋

アルノ川に架けられたフィレンツェ最古の橋で、橋の両側には貴金属店が立ち並び、お店の二階はヴェッキオ宮とピッティ宮殿を繋ぐなが〜い回廊の一部になっている。しかし、予想に反し、ここにあるお店はお土産屋さんのレベルを超えた本格的な貴金属店ばかりということで、お店を冷やかす代わりに橋を渡った先にある小さなバールで一休み。これがイタリアでのバール初体験となったのだが、特に支障なく飲食することができた。

◎ダンテの家

ダンテがフィレンツェ生まれとは知らなかったが、彼の生家ということで、家の前で記念写真を撮らせて頂いた。

◎ドゥオモ博物館

道を挟んでドゥオモの反対側にある博物館。ここの見物はミケランジェロの「フィレンツェピエタ(これまた未完)」とギベルティの「天国の門」で、後者はドゥオモの隣に立っている洗礼堂の東側の扉に彫られた彫刻のオリジナルである。


あっという間に自由行動の時間が終了し、集合場所のジョバンニ広場から歩いていける中華料理店「北京」で夕食。そこから再びバスに乗って昨日と同じホテルへ帰った。ということで、今日は非常に内容の濃い一日だったけど、パラティーナ美術館やダヴィデ像の本物があるアカデミア美術館にも行ってみたいし、やっぱりドゥオモの展望台にも登ってみたい。とにかく、フィレンツェはとても魅力ある街で、是非もう一度訪れてみたい。