もしも昨日が選べたら

2006年作品
監督 フランク・コラチ 出演 アダム・サンドラーケイト・ベッキンセイル
(あらすじ)
建築家のマイケル・ニューマン(アダム・サンドラー)は、愛する妻のドナ(ケイト・ベッキンセイル)と二人の子供のため、裕福な生活を実現しようと昼夜を問わず仕事に励んでいた。でも、時々そんな家族生活を面倒と感じることも。そんなとき、彼はふとしたきっかけで“万能リモコン”を手に入れるが、それはDVDで映画を見るように、彼の人生を早送りしたり、巻き戻したりできる夢のようなマシンだった….。


ネタ切れの感のある昨今、映画では時間ものが大流行。まあ、時間ものといっても、昔のSFなんかと違い、極めて日常的なドラマの中の便利な仕掛けとして使われるだけで、センス・オブ・ワンダーとはまるっきり縁がない。昔言われていた“SFの浸透と拡散”が極まった結果ということか。

この作品もそんな系列の一つなんだろうが、この“万能リモコン”はタイムマシンとは違って、実際に過去に戻ることはできず、単に過去の自分の生活を映画のように眺められるだけ。また、現在を“早送り”することにより、未来へ行くことは可能であるが、その間、本人は自動操縦された状態で、しっかり歳はとるものの記憶には残らない・・・

マイケルは、このマシンを駆使して面倒な仕事や家族生活を全部スキップし、待望の経営者の地位を手に入れるんだが、自動操縦されているうちに妻とは離婚してるし、家族との思い出もまったく残っていない。ラストはいわゆる夢オチで、万能リモコンを手に入れる前の状態に戻っただけなんだけど、これが見事なまでのハッピーエンドになっているのは脚本の上手さによるものだろう。ちょっと、キャプラの「素晴らしき哉、人生!(1946年)」を思い出した。

奥さんのドナに扮したケイト・ベッキンセイルは、あの「アンダーワールド (2003年) 」に主演していた女優さん。今回はごく普通の奥さん役なんだけど、これがなかなか魅力的で、俺には吸血鬼よりもこっちの方が好みです。

ということで、十分に面白かったんだけど、結構下ネタが多いので家族で見るのにはちょっとキツい。テーマとしては、ファミリー向けコメディに最適だと思うんで、その意味ではちょっと残念でした。(でも、下ネタも面白かったし、やっぱりこれはこれで良かったのかもね。)