ベイビー・ドライバー

今日は、妻&娘と一緒にエドガー・ライト監督の新作「ベイビー・ドライバー」を見てきた。

全米公開時における評価も上々ということで見るのを楽しみにしていた作品なのだが、本邦公開日を前にして宇都宮市内で本作を上映してくれる映画館が1館も無いことが判明。またかと思って文化果つるところに住む悲哀を噛みしめていたところ、佐野市での上映があるという情報を耳にして欣喜雀躍。“シュラスコ”をエサにして佐野市内の映画館へ向う。

さて、ストーリーは、天才的なドライビング・テクニックを買われてギャング一味の逃がし屋(=銀行強盗を働いた仲間を車で逃走させるゲッタウェイ・ドライバー)として重宝されている青年のお話であり、“ベイビー”というのは彼のニックネーム。いつもヘッドホンでiPodの音楽を聴いているのだが、それは幼少時の交通事故に起因する耳鳴りを抑えるためらしい。

その彼が聴いている音楽がそのまま作品のBGMになるというアイデアは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年)」などでもお馴染みであるが、本作ではこの音楽のリズムに乗って俳優さんたちが演技をするというワンランクアップした面白い演出がなされており、“Bellbottoms”の曲に乗って繰り広げられる冒頭のカーチェイスはとてもカッコ良い。

主人公のベイビー君は強盗の片棒を担がされているものの、本当は人を傷つけるのが大嫌いな優しい青年として描かれているので感情移入は容易。また、音楽の趣味が妙にオヤジ臭いところもお気に入りであり、自分の名前が出てくるヒット曲が少ないといって嘆くガールフレンドのデボラ(リリー・ジェームズ)に対してT.Rexの“Debora”を教えてあげるところなんかはセンス最高。

まあ、そんな心優しいベイビー君の前にやたらと人を殺しまくる狂犬バッツ(ジェイミー・フォックス)が現れるあたりから、映画の雰囲気はやや殺伐とした方向へと変化していくのだが、最後はしっかり罪を償って本名のマイルズ君に生まれ変わるというラストもなかなかの好印象。笑えるシーンが少なかったのは意外だが、まあ、エドガー・ライトとしてはこんな真面目な作品も撮れるっていうところをアピールしたかったのだろう。

ということで、普段はカーチェイスの出てくるような作品にはあまり興味を示さない妻&娘も大絶賛ということでとりあえず一安心。しかし、帰りに立ち寄ったブラジル料理店は休日にもかかわらずまさかの休業であり、楽しみにしていたシュラスコはお預けになってしまいました。