七人の侍

今日は、妻&娘と一緒に“午前十時の映画祭”で上映中の「七人の侍」を見てきた。

当初の予定ではポール・グリーングラスマット・デイモンの名コンビによる「ジェイソン・ボーン」を見るつもりだったのだが、Twitter上の評判で4Kデジタルリマスター版「七人の侍」の“音の良さ”を知り、一気に形勢逆転。普段白黒映画にはあまり馴染みのない妻&娘も、まあ、この名作なら例外ということで、三人揃って映画館へ。

さて、古めの邦画を鑑賞しようとする際の最大の問題点の一つが“セリフの聴き取りづらさ”であり、ビデオやDVDで日本語の字幕が付いている場合にはそれをオンにして鑑賞することもしばしば。黒澤映画でもそれは同じであり、昔、名画座かなにかで「隠し砦の三悪人(1958年)」を拝見したときには、雪姫役の上原美佐が何を言っているのかサッパリ理解出来なかったという苦い思い出がある。

そんな訳で、今回は“セリフ重視”で鑑賞させて頂いたのだが、結果を先に言ってしまうと4Kデジタルリマスターの効果は上々であり、ほぼ98%以上の確率(?)できちんとセリフを聴き取ることが出来た。特に、大勢の登場人物が言い争いをしているようなシーンでの改善効果が顕著であり、冒頭における農民の話合いの中で利吉の女房が野武士に連れ去られた経緯を示唆する発言があることに初めて気付いた。

まあ、内容に関しては今さら何を言うまでもない名作であるが、今回改めて感じたのは前半におけるシナリオの巧みさであり、何度も見て内容は分かっているにもかかわらず、思わず笑ったり、涙ぐんだりしてしまう。「シン・ゴジラ(2016年)」に足りなかったのは、おそらくこういった部分なんだろうなあ。

ということで、現在、全米では「荒野の七人(1960年)」をリメイクした「マグニフィセント・セブン」が絶賛公開中であり、来年はじめには我が国でも公開される予定。「荒野の七人」では三船敏郎扮する菊千代のパートが大幅に削られてしまっていたが、今作ではどんな扱いになっているのでしょうか。