レヴェナント:蘇えりし者

今日は、妻&娘と一緒に「レヴェナント:蘇えりし者」を見てきた。

レオナルド・ディカプリオアカデミー賞の主演男優賞を獲得した作品であり、このGWの目玉の一つなんだろうが、ちょっと暗そうなイメージが災いして我が家での鑑賞順は「ズートピア」、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」に続く3番目。しかし、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ渾身の映像美は是非スクリーンで見てみたいということで、あまり気分が乗らないらしい妻を急き立てるようにして映画館へ。

さて、メインとなるストーリーは極めて単純であり、自分の息子を殺された男がその犯人を探し出して復讐を遂げるというもの。しかし、それに付随する小ネタはてんこ盛りであり、156分という上映時間中、一瞬たりとも飽きさせることは無い。

その最たるものが主人公が熊に襲われる場面であり、その迫力たるや、今までに見たことが無いほどの驚異的なレベル。鑑賞後、あまりに完璧な熊の“演技”に感心してしまい、娘と“本物の熊だったらアカデミー賞助演女優賞モノだね”と話していたのだが、それくらい真に迫った名シーンであった。(帰宅後に調べたところによると、残念ながらやはりCGだったようである。)

また、アカデミー賞撮影賞に輝く映像の美しさも前評判どおりであり、一面深い雪に覆われた大自然の持つ峻厳な美しさは、ヨーロッパという異世界からやってきた人々の“不自然さ”を見事なまでに浮かび上がらせている。イニャリトゥ&エマニュエル・ルベツキのメキシコ人コンビが本作の映像にこだわった理由も、おそらくそのへんにあるんだろうなあ。

ということで、なかなかの力作である反面、寒くて、痛くて、生々しいシーンの連続は妻&娘のお気に召さなかったようであり、残念ながら彼女たちの評価は散々な結果。まあ、ジョン・フォードの監督であればもっと情感溢れる作品になったのは間違いないが、今の時代に西部劇を作ろうとするとこういう作品にならざるを得ないのでしょう。