ツイン・ピークス:ローラ・パーマー最期の7日間

1992年作品
監督 デヴィッド・リンチ 出演 シェリル・リー、レイ・ワイズ
(あらすじ)
ワシントン州の田舎町ディア・メドウでテレサ・バンクスという少女が殺害される事件が発生し、FBIの特別捜査官チェスター・デズモンドが捜査を開始するが、ある日、謎の失踪を遂げてしまう。それから1年後、同じワシントン州にあるツイン・ピークスでは17歳の女子高生ローラ・パーマー(シェリル・リー)は華やかな学園生活を送っていたが、彼女には隠された別の一面が….


1990年に米国で放映されたTVドラマ「ツイン・ピークス」の前日譚を描いた作品。

当時、仕事や子育てに忙殺されていたこともあり、再放送も含めてこのTVドラマは見ていないのだが、20数年ぶりに新シリーズの製作が進められているとのニュースを目にして興味が再燃。しかし、全30話に及ぶ旧シリーズを全部見るのはちょっと大変そうということで、とりあえず劇場公開版でお茶を濁してみることにした。

さて、TVドラマは見ていないものの、そのストーリーの起点になるのが“世界で一番美しい死体”ことローラ・パーマーの殺害事件であることくらいは知っており、ネタバレ気味の邦題を見れば、本作の結末は容易に想像がつくところ。したがって、ストーリー自体はむしろ単純と言って良いのだが、それに絡みついてくるイメージの氾濫が見る者の思考を攪乱させる。

マルホランド・ドライブ(2001年)」を見た頃であれば、意味不明なイメージの断片をつなぎ合わせ、そこから何らかの“意味”を汲み取ることにもう少し熱中できたかもしれないのだが、年老いた今となってはそんな作業は面倒なだけ。デヴィッド・リンチがどういう監督か、ということについてはもう十分承知しているところであり、それら珍妙なキャラクター等から受ける“印象”だけを味わいながら無事に映画を見終えることが出来た。

まあ、TVドラマのファンからもあまり高い評価を得ていない作品のようであるが、一見さんの俺にとって最も不満だったのは主役のローラを演じたシェリル・リーがあまり魅力的に見えないところ。彼女の“ウラの顔”ばかりでなく、“学園の女王”としての華やかな一面も見せて欲しかった。

ということで、今年中に公開が予定されている新シリーズであるが、当然、旧シリーズを見ていなくても楽しめる内容になっているとは思うものの、やはり見ておいた方が良いのかなあ。国内での放送予定等は知らないが、事前に旧シリーズを再放送していただければ幸いです。