6才のボクが、大人になるまで。

今日は、妻と一緒に「6才のボクが、大人になるまで。」を見に行ってきた。

封切り当時、近場で上映してくれる映画館が一つも無かったことから、DVDになるのを待つしか無いと思っていたのだが、その後、アカデミー賞をはじめとする主要な映画賞での受賞やノミネートが相次いだおかげで、ようやく近くのシネコンでの上映が決定。何とかアカデミー賞の結果が出る前に見ることが出来た。

原題はそのままズバリの「Boyhood」であり、句読点の入った邦題はちょっと恥ずかしいのだが、まあ、内容はまさに6歳の少年が18歳になって親元を離れるまでを描いている。彼の母親が結婚に3回失敗するあたりがちょっと珍しいのかもしれないが、それを除けばいたって普通の“少年時代”であり、あまり大したエピソードも登場しない。

しかし、12年間にわたって同じ俳優を使って撮り続けたという本作のウリは決してダテではなく、その平凡な、言い換えれば普遍性のあるエピソードが非常な説得力を伴って観客の前に現れる。6歳だった少年が次のシーンでは7歳に成長しているという“現実”の持つ無常感はそれだけで圧倒的であり、脚本に変な小細工を弄しなかったことがかえって功を奏したように思われる。

ということで、実は、我が家の子どもたちが小さかった頃に撮った大量のビデオ(=ソニーの8ミリビデオテープのため、長らく再生できないでいた。)を、昨年末、業者に頼んでDVDにダビングしてもらったのだが、困ったことに恥ずかしがってなかなか一緒に見てくれない。それを考えれば、自分の成長過程を全世界に披露してくれたエラー・コルトレーン君の勇気は大したものであり、どうかこのまま立派な大人になってもらいたいと思います。