今日は、妻と一緒に「天才スピヴェット」を見に行ってきた。
別にジャン=ピエール・ジュネ監督のファンという訳ではなく、彼の作品を見たのは「アメリ(2001年)」くらいのものなのだが、TVのCMで見たスピヴェット役のカイル・キャトレット君の可愛らしさに魅せられてしまい、迷うことなく映画館へ。実は、「6才のボクが、大人になるまで。(2014年)」を上映してくれるところが近場に無かったことも大きいんだけどね。
さて、“父親のお気に入りではない方の子供の悲哀”というテーマは、「エデンの東(1954年)以降(?)、多くの作品で繰り返し取り上げられてきており、正直、新し味は希薄。まあ、主人公が天才児ということで差別化は図られているのだろうが、このスピヴェット少年、周囲に理解してもらえないことに慣れてしまったせいか、意外に自己主張は控えめであり、あまり天才児っぽいところを見せてくれない。
そんな訳で、ストーリーに特筆すべきところは少ないのだが、「アメリ」の監督らしく、ユニークな映像表現は魅力的であり、特に、3Dを使ってスピヴェット少年が考えていることをマンガの吹き出しのように表現するアイデアはなかなか秀逸だった。
ということで、正直、“期待どおり”の範囲を超えるような面白さは見いだせなかったものの、母親役のヘレナ・ボナム=カーターを含め、出演者はそれぞれに魅力的であり、大きな不満は無い。出来れば同じキャストでシリーズ化してもらい、スピヴェット少年の天才ぶりが遺憾なく発揮されるような大冒険を見せて欲しいと思います。