るろうに剣心 京都大火編

今日は、妻と一緒に「るろうに剣心 京都大火編」を見に行ってきた。

原作の方は、子どもたちが小さかった頃、一緒に読んでいた記憶はあるのだが、正直、覚えているのは主要登場人物のキャラ設定くらい。映画化された前作「るろうに剣心(2012年)」も、家族の誰かがTV録画したものをアクションシーン中心に早送りで鑑賞しただけなのだが、最近の邦画には珍しく、結構お金をかけて本気で作っているらしい雰囲気が伝わってきて、なかなかの好印象だった。

さて、本作のストーリーもかなり原作に忠実のような気がするが、思ったとおり細部に関する記憶はボロボロ。長年、陰の存在に甘んじてきた御庭番衆の皆さんが初めて自分たちの決断によって京都の守護に立ち上がるという展開は全く記憶には残っておらず、まるで初めて接したかのような感動を覚えてしまった。

前作で高く評価された小気味の良いアクションシーンも依然健在であり、剣心vs. 瀬田宗次郎の対決シーンは本作の大きな見どころの一つ。また、御庭番衆の皆さんもなかなか頑張っており、特に今年69歳の田中泯扮する“翁”による激しいアクションシーンには吃驚仰天。軽快な動きを見せる操(土屋太鳳)も格好だけの薫を完全に食っていた。

少々残念だったのは、“京都大火編”というタイトルの割には志々雄一味による放火計画が小規模だったことであり、あれでは陽動作戦だってことが簡単にバレてしまっても仕方がない。まあ、このへんで資金不足が露呈してしまったのかもしれないが、映像的にいっても八坂の塔の炎上シーンくらいは見せて欲しかった。

ということで、本作は2部作の前編であり、かなり中途半端なところで終わってしまうのだが、来月公開予定の後編“伝説の最期編”への期待を繋げるという役目は十分に果たしている。大友啓史監督におかれましては、いつの日か、崔洋一によって踏みにじられた「カムイ外伝(2009年)」のリメイク(=名誉回復)もお願いしたいと思います。