DCスーパーヒーローズ

ポール・ディニ文、アレックス・ロス画によるアメコミ作品。

スーパーマンバットマンキャプテン・マーベル、それにワンダーウーマンの4人をそれぞれ主人公にした4つの短編と、彼等が力を合わせて闘う“ジャスティス・リーグ・オブ・アメリカ”もの2編を含む作品集なのだが、ストーリーよりも先に、アレックス・ロスによる華麗なイラストにいきなり魅了されてしまう。

これまで読んできたアメコミとは対照的に、本書のコマ割りは大きくて自由度が高く、スーパーヒーローたちの活躍が大迫力かつ魅力的に描かれている。あとがきによると、この作品を描くためにきちんとコスチュームを身に着けたモデルを使用しているとのことであり、その真摯な態度には頭が下がる。

また、ポール・ディニのストーリーにも手抜きは一切感じられず、ヒーローたちが“異物”である自分自身の存在理由を自問自答しながら、悪に立ち向かう様子が感動的に描かれている。特に、冒頭のスーパーマンの物語は、世界中の飢えている人々に食料を届けるというアンパンマン並みの単純な任務に、彼が挫折するというストーリーであり、彼の底知れぬ苦悩には同情を禁じえない。

ということで、本書は娘へのホワイトデーのお返しということで購入したのだが、先に読んでいた彼女も大満足だった様子。来年以降もこの手で行こうと思います。