2008年作品
監督 ルイ・レテリエ 出演 エドワード・ノートン、リヴ・タイラー
(あらすじ)
科学者のブルース・バナー(エドワード・ノートン)は、自らの肉体を使用した実験中の事故により、心拍数が200を超えると巨大な緑色のモンスター“ハルク”に変身する特殊体質になってしまう。その能力を軍事目的に利用しようとするロス将軍の追跡を逃れ、単身ブラジルに身を隠して治療薬の開発に取り組んでいたブルースだったが、ある日、ロス将軍の送り込んだ特殊部隊にその居場所を発見されてしまう….
「ジ・アベンジャーズ(2012年)」の予習の最後として、家族で鑑賞。
まあ、有名なアメコミ・ヒーローであり、(俺は未見であるが)2003年にも一度映画化されているせいか、主人公のブルースがハルクへと生まれ変わる経緯については、タイトルバックで要点のみが簡単に映し出されるだけ。正直、ハルク・ファンでは全くない俺としては、もう少し丁寧に説明して欲しかったところであるが、本作を見るような人間のほとんどにとっては、最早周知の事実なんだろう。
したがって、本作の最初の見せ場は、特殊部隊に追い詰められたブルースがハルクへと変身を遂げてしまうところになる訳であるが、舞台となるブラジルの貧民街“ファヴェーラ”の異様でどこか魅力的な風景にも助けられ、とても面白いシーンになっている。変身したハルクの姿をなかなか観客に見せないという演出も、まあ、ベタではあるが、それなりの効果を上げているのは間違いない。
しかし、その後、舞台がアメリカに移ってしまうと、そんな魅力もどこへやら。ロス将軍の娘でブルースの恋人ベティ(リヴ・タイラー)は、何故か軍の監視下に置かれていなかったようであり、割と簡単に再会出来てしまって少々拍子抜け。まあ、映画にはダレ場も必要なのかもしれないが、敵キャラがショボいこともあって、最後まで盛り返せないまま終わってしまったという感じ。
また、ラストシーン以外は「ジ・アベンジャーズ」との関係も希薄であるため、その予告編として楽しむ訳にもいかず、正直、これまで見てきた一連のアベンジャーズ物の中では最も不満の残る作品になってしまった。
ということで、主演のエドワード・ノートンは、ハルクとは似ても似つかない知的で物静かな雰囲気が魅力であるが、残念ながら「ジ・アベンジャーズ」への出演はキャンセルしてしまったらしく、「シャッター アイランド(2010年)」に出演していたマーク・ラファロが代わりを務めるそうです。