ペギー・スーの結婚

1986年作品
監督 フランシス・フォード・コッポラ 出演 キャスリーン・ターナーニコラス・ケイジ
(あらすじ)
二人の子持ちであるペギー・スー(キャスリーン・ターナー)は、浮気をした夫のチャーリー(ニコラス・ケイジ)と現在別居中。ある日、ハイスクールの同窓会パーティーで懐かしい旧友たちとの再会を楽しんでいた彼女は、突然現れたチャーリーの姿を見て気が動転してしまい、その場で気を失ってしまう。そして、目を覚ましたとき、彼女は20年以上昔のハイスクール時代にタイムスリップしていた….


フランシス・フォード・コッポラが「コットンクラブ(1984年)」に続いて発表した作品。

元々、ペギーとチャーリーはハイスクールの同級生同士だったということで、タイムスリップをした彼女は、青春時代におけるチャーリーとの恋人関係をもう一度経験することになる。しかし、彼との未来に不幸な別居生活が待っていることを知っている彼女は、ついつい他の男子生徒の方に目がいってしまう訳であり、そんな二人が再び結ばれることが出来るのか、っていうあたりが中心になってストーリーは展開する。

バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年)」が大ヒットした翌年に公開された作品であり、コッポラともあろう方が、こんな二番煎じ的な企画を良く引き受けたもんだというのが正直な第一印象であるが、軽薄にしようと思えばいくらでも軽薄になりそうな設定にもかかわらず、実際はなかなか内容のある落ち着いた作品に仕上がっているのは、やはり彼の功績なんだろうか。

その最大の勝因は、何といっても、公開当時32歳のキャスリーン・ターナーをそのまま高校生役に起用したことであり、そのせいで“自分の人生を改めて見つめなおす”という本作のテーマがより明確になっているし、20数年前のまだ若々しい自分の両親や、既に亡くなっている祖父母との再会シーンなんかも、いっそう感慨深いものになっている。

まあ、誰が見ても外見的には相当の無理があるのだが、それを承知の上でこの役を彼女に依頼したスタッフ側の判断は正しかったと思うし、また、それを引き受けた彼女の勇気も賞賛に値すると思う。

ということで、相手役のチャーリーに扮したのは公開当時22歳のニコラス・ケイジキャスリーン・ターナーとは反対に、“現代”の方のシーンで40代後半のオヤジ役に挑戦している訳であるが、これが全く様になっておらず、未来のアカデミー賞俳優もまだまだといった印象でした。