アイアンマン2

2010年作品
監督 ジョン・ファヴロー 出演 ロバート・ダウニーJr、グウィネス・パルトロー
(あらすじ)
自らがアイアンマンであることを公表したトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr)は、彼のアーマーを“兵器”とみなす合衆国上院委員会から公聴会への出頭を命じられる。他国がアーマーのコピーを製造することの危険性を指摘してその引渡しを求める委員会に対し、トニーは“彼等の技術力では5年は無理”と公言して大衆の喝采を浴びるが、その数日後、彼が参加したモナコGPに見たこともないアーマーが現れる….


ロバート・ダウニーJrが主演する「アイアンマン(2008年)」の続編。

そのアーマーは、スターク家に深い恨みを抱くイワン・ヴァンコ(ミッキー・ローク)が一人手作業で作り上げたものであり、両手のムチみたいな武器でモナコGPを疾走するF1カーを真っ二つに切り裂く様は、まさに圧巻。ここでの対決ではアイアンマンに変身したトニーが勝利を収めたものの、精神的に大きなダメージを受けた彼は、スターク・インダストリーズ社長の座を秘書のペッパー(グウィネス・パルトロー)に譲り渡してしまう始末。

彼は、肉体的にもアーク・リアクターのエネルギー源であるパラジウムの毒素によって刻々と体を蝕まれている状況にあり、前半はそんな主人公の苦悩というかダメ男ぶりが観客の笑いを誘う。ヤケになった彼が公衆の面前でアーマーの排泄物処理機能の実演を行うシーンは、ロバート・ダウニーJrならではの迷演技。

まあ、メインストーリーとなるイワンの復讐劇は比較的単純で少々物足りなくもあるのだが、本作では新たにトニーの秘書となる謎の美女ナタリーや彼の友人で銀色のアイアンマン・アーマーを身に着けて闘うローズ中佐といった魅力的なキャラが続々と登場するので、見ていて退屈するようなことは全くない。

しかも、彼等に扮しているのがスカーレット・ヨハンソンドン・チードルと、敵役のミッキー・ロークを含め、この手の作品としてはちょっと例がない程の超豪華ラインアップ。ナタリーとローズ中佐は、レギュラーとして今後も活躍してくれそうな雰囲気であり、早くも次回作を見るのが楽しみになってしまった。

ということで、このシリーズに登場する科学者たちは皆さん手作りがお得意のようであり、彼等が汗水たらして最新のハイテクマシーンを作り上げる様子が丹念に描かれているのが興味深い。特に、ヴィブラニウムというパラジウムに代わる新元素を合成するため、手作業で加速器まで作り上げてしまうトニーの手先の器用さは、まさに神業と言うべきでしょう。