2001年にスタートしたシュレック・シリーズも第４作目となる本作でめでたく終了。最初の頃は顕著であったアンチ・ディズニー的なお行儀の悪さも次第に影を潜め、本作では家族や友人たちに囲まれた平凡な日常生活の大切さという、全くもって驚くほどまともなテーマの作品になっていた。
独身時代の勝手気ままな生活を取り戻そうとしたシュレックが、悪い魔法使いのランプルスティルスキンに騙されて家族や友人を失いそうになるというストーリーなのだが、いろいろあった挙句に辿り着くのが事件の起きる前と何一つ変わらない現実というオチは、まあ、皮肉が利いているとも言えなくはないが、“何事も気持ちの持ちよう”と説教されているようでちょっと気に入らない。
また、このランプルスティルスキンは、元々グリム童話に出てくるキャラクターらしいのだが、俺を含む多くの日本人にはなじみの薄い存在であり、シュレック・シリーズの最後を締める敵キャラとしては相当に物足りない。せっかく３Dにしたのだから、最後はピクサーでは描けないような派手な大魔法を披露して欲しかった。
ということで、ストーリー自体は良く出来ており、これが単なる「シュレック４」であればとりあえず納得できるだけの水準は維持していると思う。本作のラストも、別に続編を作るのに支障があるような終わり方にはなっていないので、新しいアイデアを思いついたら是非新作を見せて頂きたいと思います。
