愛と追憶の日々

1983年作品
監督 ラリー・マクマートリー 出演 デブラ・ウィンガーシャーリー・マクレーン
(あらすじ)
オーロラ(シャーリー・マクレーン)は、早いうちに夫を亡くしてしまい、それからは女手一つで一人娘のエマ(デブラ・ウィンガー)を育ててきた。しかし、そんな母親の気持ちを理解しようとしないエマは、彼女の忠告を聞かずに教師のフラップと結婚してしまい、彼の転勤によってエマの一家が遠くへ引越してしまってからも、二人の間には小さな諍いが絶えなかった….


シャーリー・マクレーンアカデミー賞の主演女優賞に輝いた作品。

というか、主演女優賞だけに止まらず、本作はこの年のアカデミー賞で作品賞、監督賞、脚色賞それに助演男優賞まで獲得した、まあ、折り紙つきの名作な訳であるが、それにもかかわらず、見終わって今一つスッキリしないのは何故なんだろう。

ストーリー的には、先日見た「くもりときどきミートボール(2009年)」とは反対に、母親と娘の関係が最大のテーマになっているのだが、オーロラもエマも我侭といってよいくらいに自己主張が強く、理想的な女性像からは程遠いキャラクター。公開当時、その辺りの“リアリティ”が評価されたのかもしれないが、せめて映画の中では女性に対する幻想を抱いていたい俺としては、どうしてもこの二人が好きになれない。

しかも、後半は、俺が最も苦手とする難病物になってしまっており、とてもじゃないがこれでは本作に高い点数をつけることはできない。だいたい、母と娘の間に長年存在してきた確執が、後者が難病に侵されることを契機に氷解するという展開は、あまりにも安易過ぎるだろう。

確かに、アカデミー賞の受賞コンビである、オーロラと彼女の隣人ギャレット(ジャック・ニコルソン)とのデートシーンは素晴らしいと思うが、その後の展開の描写は少々露骨であり、正直、俺としては50歳を過ぎたシャーリー・マクレーンのベッドシーンというのは想像もしたくなかった。

ということで、彼女は「走り来る人々(1958年)」以来、実に5回目のノミネートでようやくアカデミー賞の主演女優賞を獲得した訳であるが、出来ることならもっと彼女らしいコメディ色の強い作品で受賞して欲しかったところです。