コララインとボタンの魔女

今日は妻が仕事ということで、高校受験を無事に終えて家でゴロゴロしている娘と一緒に「コララインとボタンの魔女」を見に行ってきた。

彼女も大ファンである「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(1993年)」と同じヘンリー・セリックの監督作品なのだが、お得意のストップモーション・アニメ独特のテイストは健在であり、本来動く筈のない人形が表情豊かに画面の中を飛び回る様を眺めているだけでも十分に面白い。

しかも、本作ではその古典的ともいえる手法が今流行りの3D技術と組み合わされており、これが期待以上の効果を上げている。特に、コララインとボタンの魔女とがクモの巣の上で繰り広げるバトルシーンの素晴らしさは特筆もので、この点に限って言えば「カールじいさんの空飛ぶ家(2009年)」なんかよりも断然上だろう。

一方、ストーリーの方は、“うまい話には裏がある”というおとぎ話の王道のようなお話しなのだが、結果的に、仕事にかまけて家事や育児に消極的な母親の存在を肯定する内容となっているあたりがなかなか皮肉っぽく、幾分なりともこの監督らしい“毒”を感じ取ることが出来る。

ということで、ワイビー少年とその祖母の存在を十分理解できなかった点が少々心残りではあるが、それ以上に、高校受験から解放されていつもののんびり屋に戻った娘と久しぶりにゆっくりと映画を楽しめたことがとても喜ばしく、高校生になってからもどうかよろしくお付き合い願いたいものです。