ドン・カミロ頑張る

1953年作品
監督 ジュリアン・デュヴィヴィエ 出演 フェルナンデルジーノ・チェルヴィ
(あらすじ)
町長のペポネ(ジーノ・チェルヴィ)は、町を洪水から守るために堤防を建設しようと思い立つが、それが原因で保守派である地主と対立。彼との仲介役に仕立て上げるべく、ペポネは司教に依頼して山奥の教会に赴任していたドン・カミロ(フェルナンデル)を呼び戻すことにする….


デュヴィヴィエ特集の第3弾は、「陽気なドン・カミロ(1951年)」の2年後に公開されたその続編であり、前作のラストであるドン・カミロが汽車に乗って新しい赴任地へと旅立つというシーンから始まる。

この赴任先というのがバスも通っていない雪深い山奥の小さな教会であり、ペポネという絶好のケンカ相手を失ったドン・カミロは哀れなほどにまったく精彩がない。その反動もあってか、元の町へ戻って来た彼は前作以上に元気一杯であり、町に着いて早々、大暴れしていたボクシングのチャンピオンをリング上で一発KOしてしまう。

この他にも、教会の鐘楼を修復する話とか、無神論者の男が自分の魂を他人に売り付ける話、ドン・カミロが寄宿制の学校に入れられたペポネの長男を訪問する話(=家族のいないドン・カミロの孤独感がにじみ出ていて感動的。)、そしてラストの河川が氾濫して町中が水浸しになってしまう話といった具合に、様々なエピソードの積み重ねによって作品が構成されており、おそらくシリーズ3作目以降の作品でもこれと同様の手法が採用されたのだろうと思う。

ということで、原題(Le Retour de Don Camillo)のとおり、正に「帰ってきたドン・カミロ」という内容であり、登場人物やテーマ等を含め、前作の雰囲気をそのまんま継承した作品になっている。まあ、そんな訳で2作続けて見るとちょっと飽きてしまう故、一月くらい間を置いて見た方が良かったかもしれない。