ハッピーフィート

2006年作品
監督 ジョージ・ミラー
(あらすじ)
皇帝ペンギンの子どもであるマンブルは、生まれながらのダンス好き。嬉しいことがあると、彼の足は自然にタップ・ダンスのステップを踏んでしまう。しかし、歌によって愛のコミュニケーションを行う皇帝ペンギンにとってダンスは無作法なことであり、酷いオンチのマンブルは学校で落ちこぼれになってしまう….


予告編を見て、CGで描かれた可愛いペンギンたちが、スクリーンいっぱいに歌って踊る一大ミュージカル・アニメ! と思って期待して見たんだけど、意外や意外、結構真面目な自分探しの映画だった。

いや、こういうパターンの作品は決して嫌いではないんだけど、それならマンブルが旅の途中で経験する出来事は彼のダンスを何らかの意味で向上させるようなものであるべきだし、ラストはその旅の成果によって故郷の人々が彼を受け入れる・・・っていうのがこの手の作品の王道だと思うんだけど、残念ながらそうなっていない。

まあ、タップ・ダンスによってペンギンと人間とがコミュニケーションをとるっていう展開も悪くはないと思うが、この作品ではそのへんがキチンと描かれていないため、結局、人間は最後までエイリアン(=神?)のまんま。そのせいもあって、人間に付けられた発信器を背中にしょって再登場するマンブル君はちょっと気色悪かった。

大体ねえ、ペンギンがタップ・ダンスを踊ったり、ちょっと懐かしめのポップ・ミュージックを歌ったりという設定自体がナンセンスなんだから、そのまんまおバカ映画に徹してくれれば良かったのになあ、というのが正直な感想。せっかくタキシードを着たキャラがこれだけ大量に勢揃いしているのに、これでジーグフェルド・フォーリーズを見せてくれないのは罪ってもんでしょう。

ということで、こっちの勝手な思い込みが外れた分、ちょっと残念な結果となってしまったが、前半まではなかなか面白い。アデリーペンギンの5人組“アミーゴス”はお気に入りです。