リトル・ミス・サンシャイン

2006年作品
監督 ジョナサン・デイトンヴァレリー・ファリス 出演 アビゲイル・ブレスリングレッグ・キニア
(あらすじ)
末娘のオリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)が美少女コンテスト「リトル・ミス・サンシャイン」の決勝に出場することになり、フーヴァー家では家族全員でオンボロワゴンに乗り込み、会場のあるカリフォルニアへと向かう。途中、ワゴンが故障したり、父親のリチャード(グレッグ・キニア)の仕事がボツになったりと様々な災難に見舞われながらも、何とかコンテスト会場に辿り着いたが….


一言で言うと、“家族の再生”がテーマの作品。フーヴァー家の人々はそれぞれが問題を抱えつつオンボロワゴンに乗り込む訳であるが、様々な障害を一緒に乗り越えることによっていつしか家族の絆を再確認。実は、ラストに至っても最初の問題はほとんど持ち越されたまんまなんだけど、家族が協力し合って立ち向かえば何とかなるさっていう感じでハッピーエンド。

と書くと、何か心温まるハートフル・コメディみたいであり、事実、途中まではそんな感じの作品なんだけど、美少女コンテストの最後になってオリーヴのダンスが始まるや否や、そんなほのぼのとした雰囲気は一瞬にして消え去り、おバカ映画モードに突入! いやー、実に面白かった。

だいたい、そこまでの前フリが実に巧妙。「リトル・ミス・サンシャイン」に出場している他の美少女たちは、こういうコンテストの常連っていう感じで、髪型やメイクは大人顔負けだし、披露する特技も本格的なものばかり。その中で唯一人お腹がポコンと出た幼児体型のオリーヴちゃん。そんな彼女に残された切り札といえば、これはもう “純朴さ”しかないって、誰だって思うじゃない? ところが、“振り付けをしてくれたおじいちゃんにこのダンスを捧げます”という彼女の殊勝なコメントから始まるダンスは、何と・・・!

で、このバカ騒ぎの原因となるオリーヴの祖父に扮しているのが、「キャッチ22(1970年)」なんかでおなじみだったアラン・アーキン。頭が禿げあがっており、エンドロールで名前を見るまで彼だとは判らなかったんだけど、言われてみればいかにも彼らしい怪演ぶりでした。