題名だけは知っていたけど、遺伝子が利己的なんて当たり前じゃんみたいな気持ちもあってなかなか手が出なかった。先日(といっても半年くらい前だけど)、同じ著者の「祖先の物語」という本が出たんで、そっちを読む前に一応読んでおこうかということでやっと購入した次第。
読んでみると文章も解りやすいし、目からウロコな内容の連続でとても面白かった。特に、働きバチと女王バチの関係なんかについては、本当に彼らを見る目が変わったね。確かにドーキンス自身も盛んに心配しているようにちょっと誤解されやすい題名ではあるが、「この地上で、唯一われわれだけが、利己的な自己複製子たちの専制支配に反逆できるのである」なんてことも書いてあるので、ちゃんと中身を読めば別に自虐的な思想でも何でもないことは明白。
で、最後に疑問が一つ。遺伝子の企てを阻止するこの「意識的な先見能力」っていうのはどうして生まれたんだろう? ひょっとすると、この能力を持ってしまったことによって、人類は近い将来淘汰されることになるのかね。