スパイダーマン3

長男と一緒に第1作目の「スパイダーマン(2002年)」を見てから、俺はクモ男の大ファン。前作は様々な事情からDVD鑑賞に甘んじたものの、もしかしたら最終作になるかもしれない本作は何としてでも映画館の大画面で堪能したいということで、今日、家族で「スパイダーマン3」を見てきた。

さすがに我が国SFXの粋を尽くした(?)「どろろ」や「ゲゲゲ」とは異なり、本場のSFX技術のレベルには凄まじいものがあって、ラストでのジャイアント・サンドマンとの戦闘シーンの描写はまったく素晴らしい。ここだけでも、元をとれたといっても良いほどの出来栄え!

ただ、ここに辿り着くまでが無駄に長すぎでちょっといただけない。だいたい「サンドマンとの対決」、「ハリーとの因縁」、「エイリアンの謎」、「MJとの痴話話」、「叔父さんの死の真相」等々のテーマが多すぎで、結局はみんな消化不良状態。俺としては今回は前二者に限定していただき、「エイリアンの謎」は次回作に、「MJとの痴話話」と「叔父さんの死の真相」は永久削除というふうにして欲しかったし、この二つだけでも今回の共通テーマである「赦し」を表現するのには十分だったと思う。

また、このような多様なテーマを無理に一つの作品に収めようとしたことから、ストーリーにもご都合主義な点が多すぎる。娯楽作品なんだからあんまり細かいことは言いたくないが、“エイリアン付隕石が落ちてきたのが、たまたまピーターとMJがいちゃついている場所”だったり、“叔父さんを殺した真犯人がたまたまサンドマン”とか、“エイリアンが最後に取りついたのがたまたまピーターのライバル”ってな具合に偶然のオンパレードなのはさすがに見ていてシラケる。ゴブリン爆弾の威力も相当イイカゲンだし….

ということで、少なからず不満はあるものの、ラストが十分に面白かったこともあり、クモ男ファンとしては、まあ、良かったことにしておこう。妻は、ハリーが死んでしまうのが納得できないと言っていたが、一応、三部作の〆ということで仕方ないところなんだろう。でも、これで新しいスパイダーマンを見られなくなるのは非常に残念。出演者総取っ換えでもいいから、なんとか新三部作を作ってくれないかなあ。