クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾!

子供たちが小さい頃は、ドラえもんやらコナンくん、ポケモン等々のお子様向けアニメ作品を結構見に行っていたんだが、彼らが成長するにつれ、いつの間にか見るのはクレヨンしんちゃんだけになってしまった。まあ、その理由は単純で、俺が好きだから。

ということで、家族で「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾!」を見に行ってきた。前々作から監督がムトウユージに交代になり、同時にタイトルも“嵐を呼ぶ”から“伝説を呼ぶ”に変更されていたのだが、今回は“嵐を呼ぶ”が復活。正直、前作と前々作は出来がいまいちだったこともあり、これで内容のほうもレベルアップを期待していたんだが….

で、感想のほうは、正直言ってまあまあってところかなあ。ストーリー的には往年の(?)「暗黒タマタマ」とか「ブタのヒズメ」あたりに戻った感じで、これはこれで良いんだけど、全体的にちょっとアイデア不足の感は否めない。例えば、後半、UNTIのボスの携帯端末を一時故障させた原因としんちゃん達が乗せられたロケットのドアを誤作動させた原因が両方とも“ある液体”による電気的なショートっていうのは、あまりにも能が無いんじゃないか。クライマックスになるべき、そのロケットからの脱出方法もいたってフツーだったしなあ。

絵的にも魅力的なキャラが見当たらないし、初登場の“ケツだけ星人”の造形がアレというのは全くもってもったいない。もう一工夫してアクション仮面やぶりぶりざえもんに続くキャラとして育てれば、ぬいぐるみやフィギャアなんかでの収入も期待できるだろうにね。

とはいえ、カスカベ防衛隊のメンバーたちがしんちゃんとシロを助ける場面はとても良かったし、成功とはいえないまでも、前作のホラーに引き続き、ミュージカルという新たな分野に挑戦したスタッフの意欲は評価したい。

ということで、少なからず不満はあるものの、まあ、前作、前々作よりかは面白く、これは娘も同意見。昔からのファンとしては原恵一水島努の黄金コンビの復活が理想なんだが、それが叶わない以上、今のスタッフの方々に頑張っていただくしかありません。世評の高い「オトナ帝国」や「戦国大合戦」を娘があんまり好きでない(したがって、彼女の喜ぶ顔を見られない俺も素直に喜べない。)ことからもわかるように、子供も大人も喜ばせるってことがとても大変なことは重々承知しておりますので、次回作も何卒よろしくお願いします。