大巨獣ガッパ

1967年作品
監督 野口晴康 出演 川地民夫山本陽子
(あらすじ)
黒崎浩(川地民夫)は、新しいレジャーランドの目玉となる珍しい生物の捕獲を命ぜられ、カメラマンの小柳糸子(山本陽子)等とともにキャサリン諸島のオベリスク島へ旅立つ。島の洞窟で巨大な卵から孵化したばかりの生物を発見した彼等は、島民たちの「ガッパが怒る」という声を無視し、その謎の生物を日本へ連れ帰った….


俺が小学生の頃、親にねだって映画館に見に行った作品。
当時、ビンボーだった我が家では滅多なことでは映画館なんて連れて行って貰えなかった訳で、ゴジラガメラも雑誌で写真を見るか、映画を見に行った友人の話しから想像するかしかなかった。

そんなときに公開されたのが「ガッパ」である。しかも「大巨獣」である。雑誌に掲載されたデータによると、何と身長120m! 身長50mそこそこのゴジラなんて最早目じゃない!! ガッパを見れば勝ったも同然!!! という訳で、滅多にワガママをいわない少年であった俺(=ビンボーを自覚していただけの話。)のたっての願いということもあり、目出度く家族での映画館行きが決定した。

当時のお子様映画というのは3本立て、5本立てというのが当たり前だった訳だが、我らが「大巨獣ガッパ」は当然のことながら大トリ。で、真っ暗な映画館の中、前座の短編映画などを見ながらまだかまだかと胸躍らせつつ待ちわびていると、突然、一緒に来ていた我が家の長男が「気分が悪い」などと言い出した。母親もせっかく大枚を払っていることもあり、何度かトイレに連れて行ったりして状態の回復に努めたが、効果なし。そして遂に中途退去命令が….

ということで、正確に言うと、俺が小学生の頃、親にねだって映画館に見に行ったものの、結局、見ることができなかった作品、な訳である。(今の)家族で映画の話しをしていたときにこんな昔話を思い出し、それではということで実に40年ぶりの鑑賞となった。

まあ、そんな訳で内容は二の次という気分で見たのだが、ゴジラガメラみたいにシリーズ化されなかった理由がよーく判った。怪獣の家族愛をテーマにするのは、当時は斬新だったのかもしれないが、やはり本筋ではないし、特に身長120mの大巨獣には相応しくないよね。それと怪獣の中の人が慣れていないらしくて、動きがとても変。唯一、当時25歳の山本陽子を見られたのがせめてもの収穫でした。

※ ゴジラの身長をWikipediaで確認した際、ついでにガッパのことも調べてみたのだが、そこで紹介されていた身長はなんと60m! そういえば映画の中のガッパも特に大巨獣っぽくなかったし、身長120mっていうのはいったい何だったのだろう?