1940年作品
監督 ロバート・Z・レナード 出演 ジェームズ・スチュアート、ジュディ・ガーランド
(あらすじ)
しがない芸人の娘スーザン・ギャラガー(ジュディ・ガーランド)は、スカウトマンの目にとまり、憧れの“ジーグフェルド・フォリーズ”に出演できることになった。そこには貧乏音楽家の妻サンドラやデパートのエレベーター・ガールのシーラなど、明日のスターを夢見る大勢の美女達が集まっていたが、シーラの恋人のギルバート(ジェームズ・スチュアート)はシーラが自分の手の届かないところへ行ってしまうようで不安だった….
ジュディのほか、サンドラ役のヘディー・ラマー、シーラ役のラナ・ターナーという3人の美女を中心に物語が展開する。クレジットでは、ジュディ→ヘディー→ラナの順であるが、一番ドラマチックなのはシーラ役であり、ジェームズ・スチュアートと絡むのも彼女だけということで、実質的な主演女優はラナ・ターナーといって良いだろう。ちょっと通俗的ではあるが、なかなか魅力的なキャラであった。
しかし、脚本が悪いのか、3人のエピソードはそれぞれバラバラで、ストーリーにまとまりがない。名声のため恋人を捨ててしまうシーラと、誘惑に負けずに夫への愛を貫くサンドラという対照的な二人が出てくるのに、この二人が絡むシーンがほとんどないので、話しに深みが出てこない。特にサンドラ役は出番が少なく中途半端なので、むしろこれを削って他の二人の役をふくらました方が良かったかもしれない。
お目当てのジュディは、オズの魔法使い(1939年)の大ヒットの影響か、形式的には主演であるが、“歌の上手い孝行娘”といういたってフツーの役で、他の二人からはちょっと浮いた役どころ。しかし、当時芳紀18歳の彼女の可愛らしさは予想以上で、正直、こんなに美人だったとは知りませんでした。この後、若草の頃(1944年)までの間に、いったい何があったのだろう。