1933年作品
監督 ジョージ・キューカー 出演 キャサリン・ヘップバーン、ダグラス・モンゴメリー
(あらすじ)
小説家になることを夢見るジョー(キャサリン・ヘップバーン)は、母親とメグ、ベスそしてエミイの3人の姉妹と一緒に、南北戦争に出征した父親の帰りを待っていた。一家の生活は決して楽ではなかったが、機知に富んだジョーを中心に、いつも四姉妹の明るい笑い声に包まれており、隣のお屋敷にやってきたローリー(ダグラス・モンゴメリー)はそんな一家を羨ましそうに眺めていた….
これまで、ジューン・アリソンとウィノナ・ライダーがジョー役をやった若草物語は何度か観たが、今回、“決定版”との呼び声が高い本作をやっと観ることができた。
俺が初めてキャサリン・ヘップバーンを意識的に観たのは「旅情(1955年)」だったと思うが、そんなこともあって“おばさんorおばあさん女優”の印象が強く、その後、「赤ちゃん教育(1938年)」や「フィラデルフィア物語(1940年)」といった比較的初期の作品を観てもその印象はあまり変わらなかった。
しかし、本作の彼女は凄い。1907年生まれということだから、当時26歳になる訳だが、見事にジョー役を演じている。特に、メグの結婚によって直視せざるを得なくなる“少女期の終り”に対する不安みたいなものは、ジューン・アリソン等の演じるジョーを見た限りでは今ひとつピンとこなかったが、本作ではヒシヒシと伝わってきた。今までも上手い女優だとは思っていたが、これで完全なファンになりました。
他の2作ではジョーの迫力に押され気味だったメグも、本作では姉らしい威厳が感じられてとても良かったし、エミイの“我が儘さ+可愛らしさ”も本作が一番だと思う。だけど、ベス役はやっぱりマーガレット・オブライエンだよな。CGか何かで、ここだけ差し替えできないもんかね。