サマー・ストック

1950年作品
監督 チャールズ・ウォルターズ 出演 ジュディ・ガーランドジーン・ケリー
(あらすじ)
女手一つで農場を経営しているジェーン(ジュディ・ガーランド)のもとへ、突然ジョー(ジーン・ケリー)の率いるミュージカル一座が押しかけてくる。金のない演出家の彼のため、そのミュージカルで主役を演じる予定のジェーンの妹が農場の納屋を劇場として使用することを勝手に決めてしまったせいだ。最初は反対していたジェーンだったが、ジョー達の熱意にほだされ、農場の仕事を手伝うことを条件に納屋の使用を許可する….


ジュディ・ガーランドのMGM最後の作品。
彼女の体調が万全ではなかった時期の作品ということで、相手役がジーン・ケリーという大物であるにもかかわらず、ちょっと地味目の出来上がりになっている。

しかし、まあ、腐っても鯛という訳ではないが、ちょっと太めのジュディもやはりそれなりに魅力的。決して美人ではないし、歌にしても、踊りにしても、彼女より上手い女優は沢山いるのにもかかわらず、彼女の歌や踊りには人を惹きつける何かがあるのだろう。特に、「ザッツ・エンターテイメント」でも紹介されていた「Get Happy」は、傑作「イースター・パレード」で使われなかったシーンの使い回しであり、農場を舞台にしたこの作品ではちょっと浮いた感じはあるが、非常に洗練された名場面であることは間違いない。

相手役のジーン・ケリーも、いつもどおりアイデアに溢れた力強いダンスを披露している。よくフレッド・アステアと比べられるが、彼とアステアとはプレスリーとシナトラみたいなもので、本来比較されるべき対象ではないだろう。

なお、作中、出演者が大声で怒鳴るという場面が何カ所かあるのだが、これがちゃんとしたギャグに仕上がっていないので、観ていてとても後味が悪い。別にジュディがヒステリーを起こした訳ではないのだろうが。

ということで、今度はジュディの若かりし頃の作品を観てみるつもり。