ガルシアの首

1974年作品
監督 サム・ペキンパー 出演 ウォーレン・オーツ、イセラ・ベガ
(あらすじ)
某有力者の怒りを買ったことにより、アルフレッド・ガルシアの首に巨額の賞金がかけられる。しがない酒場のピアノ弾きであるベニー(ウォーレン・オーツ)は恋人のエリータ(イセラ・ベガ)からガルシアが交通事故で既に死亡しているという情報を聞き入れ、「ガルシアの首」を手に入れるため彼女と一緒に旅に出る....


インパクトのある題名のせいもあって、公開当時から気になっていた作品。この度、30数年ぶりに観ることになった訳だが、何といっても主演のウォーレン・オーツの魅力が光る作品でした。

恋人のエリータは、もう若くなく、実はガルシアと浮気していたり、旅の途中でレイプされそうになった男に妙な媚びをうったりするような女なんだけど、オーツ扮するベニーはそんな彼女のことがとっても好きなんだよね。見た目はただの薄汚れた中年男なんだけど、観ているうちに、次第にとてもいじらしく思えてくるあたりは流石。

一方、エリータ役のイセラ・ベガも、そうすることでしか生きてこられなかったメキシコ女の哀しさみたいなものが十分に伝わってくる好演で、お互いの傷を舐め合うような中年カップルの純愛(?)を十分に楽しませていただきました。

ゲッタウェイ(1972年)」とは違って、ラストでベニー君は敵のマシンガンによって蜂の巣にされてしまうのだが、愛するエリータの仇をとった彼にすれば、きっと本望だったのだろうと思う。

それと、何故かレイプ魔という最低の役で歌手兼俳優のクリス・クリストファーソンが出ていたが、これは前年に「ビリー・ザ・キッド 21才の生涯(1973年)」の主役に抜擢してくれたサム・ペキンパーへの恩返しということなのか。