「万物理論」で翻訳物はお腹いっぱいになってしまったので、今、人気の東野圭吾を初めて読んでみた。
数ある作品の中からこれを選んだのは、文庫本の腰巻きで蒼井優の主演で映画化されているのを知ったから。おもしろかったら、後からDVDで二度楽しめるでしょう?
話の方は、昔読んだ筒井康隆の「俺の血は他人の血」を「アルジャーノン」風に味付けしたって感じかなぁ。予想どおりとっても読みやすいんだけど、話がちょっと安易すぎるのではないか。10万人に一人の偶然が殺人者とその被害者との間に起こってしまうという設定には目をつむる(そーゆー設定なんだから、しょうがない!)としても、純一君と恵ちゃんの出会い方とか、登場人物のキャラ設定とかがあまりにも通俗的で陳腐。ミステリ作家の割に、あんまりアイデアとかが感じられなかった。
ということで、残念ながら蒼井優のDVDを鑑賞する機会は無さそうだが、たまたま作品の選び方が悪かっただけかもしれないので、今度、同じ作者の別の本を読んでみようと思う。「万物理論」と違って、短時間ですぐ読めるしね。