DIVE!!

森絵都シリーズ第2弾
風に舞いあがるビニールシート」を読んで、森先生の大ファンになったから…という訳ではなく、行きつけの本屋に「風に…」がなかったので、代わりに買ってきたというのが本当のところ。その後、別の本屋で「風に…」を購入したため、読むのが後回しになった。

でも、まさか主人公が中高生とは思わなかった。どのあたりを読者層として想定しているのかは知らないが、少なくとも俺のような中年男が読むのには、本来、ややハズかしい本なのかもしれない。

で、少年たちのキラキラとした輝きに、ちょっと眩しそうに目を細めながら読んでみた訳であるが、主人公3人(知季、飛沫、要一)を順次メインに描いていくという手法が珍しく(←俺の読書量が少ないだけ!)、最後に誰が勝つのかという興味もあって、最後まで読み通した。大岡裁的なスーパーハッピーエンドには突っ込みを入れたいところであるが、読後感は悪くない。

最大の不満は、「高飛込み」というスポーツを題材にしているにもかかわらず、肝心のダイビングシーンの描写がほとんど無いこと。知季が四回転半を飛ぶとき、彼の「ダイヤモンド・アイ」には何が映っているのか、幻のダイバーの末裔である飛沫のダイビングのいったい何が観客を魅了するのか、等ぜーんぜん判らない。結局、ダイビングって見てる方には退屈なスポーツなのか。

やっぱり、この手の小説は、読んだ後、無性に10mのジャンプ台に登りたくなる!というようなパワーがないとねぇ。