今日は、久しぶりとなるお手頃なロングコースの第26弾ということで、佐野の氷室山から地蔵岳へと続く県境尾根の周辺を歩いてきた。
今回の目的は、これまでコツコツと繋げてきた足利の織姫神社から氷室山までの尾根歩きの区間を地蔵岳まで延ばそうというものであり、早朝、東京見物に出掛ける妻をJR宇都宮駅まで車で送り届けてから、本日の出発予定地である鹿沼市上粕尾の大荷場木浦沢林道へと向う。
さて、県道15号線からの分岐を左に入ろうとすると“通行止”の標示が目に入るが、まあ、駐車するのは林道の入口付近なので大丈夫だろうと思ってそのまま橋を渡る。すると、そこには既に一台の車が止まっており、う〜ん、その傍らに立っているのはハンターさんに違いない。
その車の少し先の路肩に駐車し、ハンターさんの指示に従って5分くらい待機していると、目の前の樹木の間を勢いよく鹿が走り去り、そのすぐ後を猟犬が追っていく。正直、この時点では今回の山歩きは中止にしようと思っていたのだが、お仲間と思われる別のハンターさんに本日のコースを説明したところ、“支障ない”との有り難いお言葉。
ちょっぴり気が削がれてしまったものの、まあ、そう言われてしまえば中止する訳にもいかず、ハンターさん達が移動するのを見届けてから午前9時23分に出発。熊スズ2個にAMラジオという最強の熊&ハンター除けグッズを身に付けて舗装された林道を歩いて行くと、その傍らを品川ナンバーの乗用車が追い越して行き、どうやら“通行止”というのは眉唾モノらしい。
小一時間ほど歩くと路肩に先程の品川ナンバーの車が止まっており、その先の「狩猟鳥獣捕獲禁止区域(シカを除く)」の赤い看板が立っているところが登山口(10時16分)。とても歩きやすい登山道は尾根を巻くように続いており、そこを進んでいくと10時26分にお目当ての県境尾根に行き当たる。
平坦な登山道はその先も続いているようであるが、今日のルールは“県境尾根を忠実にたどること”であり、ここで尾根筋に上がって椀名条山分岐(10時49分)〜氷室山(1123m。10時56分)。そこには品川ナンバーの車の持ち主と思われる登山者が一人休憩されていたが、お話の内容からすると車で移動しながらピークハントを楽しんでいるらしい。
さて、時間節約のために復路は平坦な登山道を使わせて頂き、11時16分に先程の分岐まで戻ってくる。その先も林道やら作業道やらが尾根の左右に頻繁に顔を出すが、(林道が尾根上を通っている部分を除き)グッと我慢して尾根筋を歩き続け、鉄塔(11時23分)〜三角点(1025.7m。11時48分)〜雨量観測所(11時53分)〜熊罠(12時35分)。
まあ、こんなことをしているのは一種のマゾヒズムであり、先日拝読させて頂いた「カリガリからヒットラーまで」の中でもナチズムと山岳映画の親和性に関する指摘があったなあ等と思い出しながら歩いて行くと、いつしかピークごとに設置されていた赤いビニール杭は姿を消し、代わりに頭に番号の付された日光社寺の境界標が頻出するようになる。
その76番の境界標(13時30分)の先には本日一番の難所である前地蔵岳への急登が待っており、しばしの間、地面に腰を下ろしてバテ気味の体力の回復を図った後、立木を伝ってそこを慎重に上っていく。巨石群を避けるためやや左寄りにズレてしまったが、たどり着いた尾根上には83番の境界標(13時47分)が立っていた。
ここまで来てしまえば目指す地蔵岳は目の前であり、前地蔵岳(13時51分)を経て二度目の地蔵岳(1274.4m。14時3分)。体力の衰えからか、ここまで随分時間が掛かってしまったような気がするが、それより気掛かりなのは出発してから一度もスマホが繋がらないことであり、出掛けに“途中経過をLINEするから”と話しておいた娘が心配しているかもしれないなあ。
しかし、再出発(14時15分)後、地蔵平(14時35分)付近まで下りてくると、どうやら足尾側からの電波が通じたようであり、ようやく娘に経過報告が出来て一安心。前回はこの先も尾根伝いに歩いているため、今回は目印をたどって一般の登山道を使うこととし、14時48分に登山口(=粕尾峠よりやや北西にある。)まで下りてくる。
当初の予定では、この先、県道15号線の東側に位置する地形図上の破線を歩いて駐車地付近まで戻るつもりだったが、最初のハンターさん騒動でそんな気持ちはすっかり失せてしまっており、素直に車道をテクテク歩いて16時2分に車の所まで戻ってくる。本日の総歩行距離は21.0kmだった。
ということで、ロングコースは久しぶりだったし、出発時刻はいつもより遅かったし、いきなりハンターさんと出会ってしまったし、といった具合に様々な要因が重なったため、会心の山歩きとはいかなかったが、まあ、これで織姫神社から足尾まで尾根を繋げることが出来たのでとりあえず満足。次は懸案の奈良部山南東尾根を歩いてみるつもりです。